コンビニの一場面 | 心の風景

心の風景

心のあり方や生き方をテーマとしたエッセイなどを載せていきます。同好の方と交流できればうれしいです。

いつものコンビニにいつもの時間に入ってサンドイッチを買おうとしたら、棚はがらがらで、そばに商品を入れた青いコンテナーが山積みになっていました。何かの理由で遅れたのでしょう。50代くらいの女性が商品を棚に置く作業をしていました。

 

目が合ったので、「何かお探しですか」と言ってきました。

 

「サンドイッチなんですけどね。いや、今日はあっちの(菓子パン)を買いますんで」

 

するとその女性は作業を中断して、コンテナーを上からチェックし始めました。意外だったので、ちょっと驚きました。

 

「あ、いや、もういいですので・・・」

 

コンテナーの穴をのぞいて、サンドイッチを入れたものを見つけると、重さは分りませんが、数個のコンテナーをまとめて持ち上げて、中味を見せてくれました。確かにサンドイッチでしたが、いつも決して買わない種類のしか並んでいませんでした。悪いので一瞬、買おうかと思ったのですが、

 

「すいません。それは買わない奴なので・・・。いや、もういいですよ」

 

するとさらにそのコンテナーも加えて持ち上げて、1つ下のサンドイッチを見せてくれました。今度はまさにいつも買うものです。

 

「あ、ありました。どうもありがとうございました」と、大いに恐縮して、急いでそのサンドイッチを手に取りました。・・・

 

この行為は店員として当たり前のことで、ここで特に紹介するほどではないのかもしれません。ですが、私には間違いなくいい印象を与えてくれるものでした。