DSM-5インターネットゲーム障害について | 精神医学をもっとわかりやすくもっと面白く。

DSM-5インターネットゲーム障害について

こんにちは。
ナルシスト活用を提唱する「ナル活」精神科医の西井重超です。


DSM-5精神疾患の診断統計マニュアル(医学書院)

が、ついに日本語訳されて今年7月に発売されました。


その4章、今後研究のための病態で

「インターネットゲーム障害Internet Gaming Disorder」について書かれてあります。

今後研究のための病態とは、ざっくりいうと

今ははっきりしてないけど今後重要になってくるであろう新しい病気・病態みたいな感じだと

解釈していいんじゃないかなと思っています。

(注:精神科医が病気じゃない人を病名を付けて病気に仕立て上げる論争は

ここでは一切しません。)


基準案としてこう書かれています。(下記引用)

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臨床的に意味のある機能障害や苦痛を引き起こす持続的かつ反復的な、しばしば他のプレイヤーとともにゲームをするためのインターネットの使用で、以下の5つ(またはそれ以上)が、12カ月の期間内のどこかで起こることによって示される。

(1)インターネットゲームへのとらわれ(過去のゲームに関する活動のことを考えるか、次のゲームを楽しみに待つ;インターネットゲームが日々の生活の中で主要な活動になる)

(2)インターネットゲームが取り去られた際の離脱症状(これらの症状は、典型的には、いらいら、不安、または悲しさによって特徴づけられるが、薬理学的な離脱の生理学的徴候はない)

(3)耐性、すなわちインターネットゲームに費やす時間が増大していくことの必要性

(4)インターネットゲームに関わる事を制御する試みの不成功があること

(5)インターネットゲームの結果として生じる、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味の消失

(6)心理社会的な問題を知っているにもかかわらず、過度にインターネットゲームの仕様を続ける

(7)家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある

(8)否定的な気分(例:無力感、罪責感、不安)を避けるため、あるいは和らげるためにインターネットゲームをする

(9)インターネットゲームの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、または失ったことがある

注:この障害には、ギャンブルではないインターネットゲームのみが含まれる。ビジネスあるいは専門領域に関する必要性のある活動のためのインターネット使用は含まれないし、他の娯楽的あるいは社会的なインターネット使用を含めることに意図したものではない。同様に、性的なインターネットサイトは除外される。

▲現在の重症度を特定せよ

インターネットゲーム障害は、普段の活動の破綻の程度により、軽度、中等度、または重度とされうる。重症度の低い人は症状の数が少なく、生活上の破綻も少ないかもしれない。重度のインターネットゲーム障害をもつ人は、より多くの時間をコンピューター上で過ごすであろうし、よりひどく、交友関係や、職歴もしくは学業面での機会を失うであろう。

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*アダルトサイトだけではなくSNS依存も含めないと後述されています。


重症度は低いと思うけど5つ以上当てはまるな、これ。

ドラクエ10のver.2.2[後期]のアップデートを明日にひかえ、

今釣ざおとルアーがアツいと1人でニヤニヤしてるん私ですが・・・。


ああ、(2)とか出張先にWiiを持って行って、

コントローラー忘れで悶絶した記憶があるな・・・。

多分「インターネットゲームが取り去られた際」って普通の人だと取り上げられた状況を

思い浮かべるだろうけど、

携帯ゲームとかだとスマホやゲーム機忘れたときに顕著に出ますよね。(笑)


それはさておき、

特徴に1日あたり8~10時間あるいはそれ以上、週あたり最低30時間って書いてあります。

(多分休みの日とかやりこめる日は、1日8時間以上するって意味です。)

1年が約52.2週間なので、

2014年8月2日の時点でドラクエ10総プレイ時間が3132時間の人は危ないですね。


あと、アジアでの研究報告が多く、

アジアに多く12~20歳の男性に多い(男性8.4%、女性4.5%)であるとのこと。


そんな感じで、今日は新しい疾患になるかもしれない病態をお伝えしました。


「ナル活」精神科医の西井重超でした。
Twitter→ http://twitter.com/nishiishigeki