こんにちは。 「育て方が悪い」という自責を手放し、子どもの「脳の仕組み」と「生まれ持った素質」を科学する。
精神論ではなく、わが子専用の『エデュケーショナルデザイン(取扱説明書)』で、正解のない時代を生き抜く「自分軸」を育む、素質科学コミュニケーション.Labです。
定期相談をご利用中のお母様から、こんなお悩みを伺うことがあります。
「急な予定変更がとにかく苦手なんです。 雨で公園に行けなくなっただけで、1時間近く泣き叫んで動かなくなってしまって……。
私の言い方が悪かったのか、それともこの子が頑固すぎるのか。 もっと柔軟になってほしいと願うほど、親子でぶつかってしまいます」
自分の決めた手順へのこだわりや、予想外の出来事への激しい抵抗。 こうした姿を見ると、親としては「わがままを許すと将来苦労する」「もっと融通を利かせてほしい」と焦りを感じてしまいますよね。
でも、どうかご自分を責めないでください。お母様のしつけが悪いわけでも、お子様がわがままなわけでもありません。
最新の脳科学の視点から見ると、そこには「ガイドのいない見知らぬ土地で、迷子になっているような恐怖」という、脳からのSOSサインが隠れていることがわかってきました。
言葉の通じない外国で、突然ガイドがいなくなる恐怖
少し想像してみてください。 あなたが言葉も通じない異国の地を、ガイドさんの案内で旅行しているとします。
ところが突然、ガイドさんが「予定が変わったから」と何も言わずにいなくなり、あなたは行き先も分からない電車に一人で乗せられたとしたら……。
どこに連れて行かれるのか、いつ終わるのかも分からない。 そんな時、人は猛烈な不安に襲われ、元の場所(いつもの手順)に必死にしがみつこうとするのではないでしょうか。
実は、予定変更でパニックになるお子さんの脳内でも、これと同じことが起きている可能性があります。
私たちは無意識のうちに「次はこうなる」という予測を立てて安心を得ていますが、脳の「予測モデル」を作る機能が未発達な状態だと、予定が変わった瞬間に世界が真っ暗な「不安の海」に変わってしまいます。
「こだわり」とは、その暗闇の中で、自分を必死に守るための「防衛反応」なのです。
「説得」をお休みし、「地図」を手渡す新しい選択肢
もし、「わがままを言わないの!」「どうして分かってくれないの!」という説得が逆効果になり、親子で疲れ果ててしまっているなら、一度「柔軟性を鍛えさせる」という視点をお休みしてみませんか。
不安で震えている人に必要なのは、厳しい指導ではなく、安心できる「地図」です。
その代わりに、「脳に地図を見せる(環境調整)」と「脳の予測機能を育てる(土台のトレーニング)」という両輪のアプローチを、新しい選択肢として知っていただきたいのです。
一つ目の車輪は「環境調整(視覚的な見通し)」です。
「あとで行くよ」という曖昧な言葉ではなく、写真やイラストのスケジュール表を使ったり、タイマーを見せたりして、脳に直接「地図」を見せてあげます。
「何が変わるのか」「いつ終わるのか」が目に見えるだけで、脳の警報器はスッと静まり、安心感へと変わります。
そして、もう一つの重要な車輪が、専門的な「脳の土台を整えるトレーニング」です。
身体を動かす遊びや感覚統合のアプローチを通して、脳が「変化」を柔軟に受け入れられるような、しなやかな器(土台)を作っていく取り組みです。
そうやって脳の土台(ハードウェア)が整って初めて、お子さんは「予定が変わっても大丈夫」という新しい自信を積み上げていくことができるようになります。
安心の土台ができたあとに、その子の「生まれ持った素質(ソフトウェア)」に合わせてどんな伝え方をすれば、よりスムーズに納得できるのか。その具体的な方法は、また別の機会にお伝えしますね。
まずは、「頑固なんじゃなく、ガイドがいなくて不安でたまらないのかも」と視点を変えてみる。 それだけで、お子さんの泣き声が、少しだけ違った響きで聞こえてくるかもしれません。
毎日子育てを頑張るお母様の心が、今日少しでも軽くなりますように。
子どもの困った行動を、無理にポジティブに思い込もうとする必要はありません。行動の裏にある「脳の仕組み」と「素質のOS」という客観的な構造を知るだけで、子育ての迷いはスッと消えていきます。

