こんにちは。
「何度言っても、姿勢がぐにゃぐにゃしてしまう」
「宿題中、貧乏ゆすりや手遊びが止まらない」
お母様、毎日お子様に
「ちゃんと座りなさい!」
「集中して!」
と注意していませんか?
実は、これまでの教育常識では「行儀が悪い」「集中力がない」と片付けられていたこれらの行動。
最新の脳科学や感覚統合の視点では、全く別の「意外な真実」が明らかになってきています。
それは… お子様がふざけているのではなく、 「地球の重力」と必死に戦っている最中かもしれない、ということです。
意外な科学的根拠
「え? 座っているだけで戦っている?」
と思われますよね。
少し専門的なお話をしますと、私たち人間には「五感(視覚・聴覚など)」以外に、無意識に使っている「2つの隠れた感覚」があります。
固有受容覚(こゆうじゅようかく):
筋肉や関節の動きを感じる感覚
前庭覚(ぜんていかく):
バランスやスピードを感じる感覚
実は、姿勢を保つのが苦手なお子様の中には、この「固有受容覚」のセンサーが、少し鈍感なタイプ(低登録)のお子様がいらっしゃいます。
最新の研究などの知見では、こうしたタイプのお子様にとって、「じっと座っている状態」というのは、「自分の体がどこにあるのか分からなくなる」という、とても不安な状態だと言われています。
つまり、大人にとっては「ただの椅子」でも、 その子にとっては「目隠しをして、バランスボールの上に座らされている」のと同じくらい、不安定で怖い状況かもしれないのです。
解決策の提案
では、なぜ彼らは「貧乏ゆすり」や「椅子のガタガタ」をするのでしょうか?
ここが面白いところなのですが、 実はこれ、「脳への自己防衛(セルフ・メンテナンス)」である可能性が高いのです。
体を揺らすことで、
「前庭覚(バランス)」を刺激して脳を目覚めさせている。
足をバタバタさせることで、
「固有受容覚(筋肉)」に刺激を送り、「僕の足はここにあるよ!」と脳に教えてあげている。
つまり、一見「行儀の悪い行動」に見えるものは、 「勉強に集中するために、必死で脳のスイッチを入れようとしている努力」 とも捉えられるのです。
これを知ると、少し見え方が変わりませんか?
「ちゃんと座りなさい!」と叱ることは、彼らにとって「脳のスイッチを切れ!」と言われているのと同じことになってしまうかもしれません。
【エデュケーショナル・デザインの視点】
では、どうすればいいのでしょうか? 根性で座らせる必要はありません。「環境」を少しデザイン(工夫)してあげればいいのです。
例えば、療育のプロの視点では、こんな工夫が効果的であることが分かっています。
「足の裏」を接地させる:
足がブラブラしていると、脳は不安になります。足置き台(牛乳パックに新聞紙を詰めたものでOK!)を置いて、足の裏をしっかりつけるだけで、脳に「安心感」が伝わり、背筋がスッと伸びることがあります。
あえて「動ける椅子」にする:
最近の海外の学校では、バランスボールを椅子代わりに導入するケースも増えています。「動きながら」の方が、脳の血流が上がり、逆に集中できるタイプのお子様もいるからです。
まとめ
「落ち着きがない」
「集中力がない」
そう見えていた行動の裏には、「感覚(脳のハードウェア)」の SOS が隠れているかもしれません。
原因が「やる気」ではなく「感覚」だと分かれば、叱る回数は減り、代わりに「椅子の高さを変えてみようか?」という前向きな実験(デザイン)が始められます。
さて、脳(Vol.2)、感覚(Vol.3)と見てきましたが、 これらが満たされないまま、「ダメな子」と誤解され続けると、お子様の「心」はどうなってしまうのでしょうか?
次回【Vol.4】は、一番大切な「自己肯定感と心の守り方」について、心理学の視点からお話しします。
「どうせ僕はできない…」 そんな口癖が出る前に、親御さんに知っていただきたいことがあります。
