配信にて、観ました。
演出家(末満さん)カメラアングルで。
やっぱり衣装から…
今回の衣装も美しかったですねえ〜
このシリーズは、西洋の絵画の中というか、昔のヨーロッパに行ったような気持ちにさせてくれる。
今作は主人公の衣装がくるくると変わるのも楽しい。
まあ、それにももちろんしんどい意味があるので、見方によっては「楽しくない」な方もいるのかもしれませんが^^;
私はもう単純に、「美しい服とウィッグたくさん!嬉しい」でした。
セットも…!
舞台セットも、入りから印象深いシーンがありました。
暗い町、唯一灯りが灯る街灯が並ぶ中、主人公が歩いていくシーン
館の中の見事な調度品が並ぶシーン
バルコニーで語るシーン
そして、ラストシーン…これはノラの登場とともに最高潮を迎える感じです!
どれも美しくて、絵画みたいでした。
内容…
ラストを書かないで何も言えない作品なので、先に書いてしまいますが、
ノラは、幻影のようなもの。
TRUMPシリーズによく出てくる共同幻想。
ノラはすでにこの世にいません。
シオン以外の登場人物からは見えているのに、シオンには見えていない。
シオンがイニシアチブで共同幻想下に置いていたから。
そして共同幻想であるがゆえに、
ノラの見た目がバラバラ
だから、衣装が頻繁にかわり、
だから、髪の毛の色も長さも頻繁にかわる…
シーンの頭から、観客は脚本家と演出家にに騙され続けている。
アガサクリスティーの作品にも、物語の頭から、作者が読者を騙すものがありますが、それと似たような。
最後の最後で明かされる。
シオンだけは、生前のノラと交流があった。
でも、でも、姿を見てはいない。
そのときの交流の様子を丁寧に描いてくれるから、過去のノラが告げた言葉と、シオンの言葉に、涙が止まりませんでした。
丁寧に丁寧に描いて、その上で観客を地獄に突き落とす…
末満さんならでは…
演劇ならでは…
だから、豪華であればあるほど、みんなの愛が強ければ強いほど、楽しければ楽しいほど、ラストシーンでの落差に泣くことになる。
でも、最終的に幻影のノラと楽しそうに暮らしているシオンの姿は、私には幸せな人だったな、と見えました。
悲劇だよ、という方も多いし、メリーバッドエンドというのもたくさん流れてきました。
でもなんだろう、純愛なんじゃない?
私には幸せな2人に見えました。
シオンが死ぬまでの美しい夢。
二度見た配信
そんな内容だったので、1回目は素で
「ひえええええええ」って背筋凍るし涙は出るし、嘘だといってくれ…と悲鳴をあげました。
丸一日、ディレイ配信があったので、2回目は「ラストシーンまで全て知った上で」観ました。
さらなる地獄でしたwwwwww
「あ、これ、この人だけに見えてるのか」
「だからここでおかしな言い回しなのか」
「あああああーーだから、ここでえええええ…」
二度目の方が傷口があってとても辛かったですwww
もう、末満さん最高だなって。
最終的に救いがなければない物語ほど、私は好きなので。
演劇でも、本でも…
いわゆるハッピーエンドは食べ飽きた感があって、この末満さんが描く世界観が大好きです。
次回作は一度やった「リリウム」で、全てオーディションだそうです。
楽しみです…!
※リリウムも映像で観ています、いい地獄でした…