久しぶりに一気読みに近かった作品。


どこで本を知ったのか記憶にないのですが(SNSとか、何かの本や雑誌で見かけた本などは、検索していつものネット書店でカゴに入れておき、他に買わなければならない本があった時に一緒に注文するので)、買っておいて良かった。


2025年出版の文庫なので、まだ新作として本屋さんにあるかもしれないです。


江國香織さんという作家の名前は有名で昔から知っていたのですが、本を読むのはおそらく初めて。

というのも、どうも「この作者は〇〇賞を取った」とか「今人気の△△さん」とか紹介されている本は避けがちな人生だったから。


今回は、なんでこの本が気になったのか、その発端を知りたいところですが、思い出せない。


 これから読もうかなと言う方へ


江國香織さんファンの方ならここは見ないでそそくさと読み始めるはずなので、この作者さんが初めての方向けに書くなら


読みやすくて

軽やかで

誰も不幸じゃなくて

淡々とした日常で

懐かしさもたまにある物語


物語というか、「こういう人たちがこの町のどこかにいるだろう」と思えるくらい自然な物語。


仕事の合間に、お休みの日にお茶を飲みながら、旅先で…

さらさらと読むのにちょうどいい本です。


 内容について軽く


主人公…と言えるのかわかりませんが、中心になって描かれているのが作家の民子さん。

その周りにいる家族や友達や…様々な人のそれぞれの日常が、それぞれの視点で描かれているいます。


物語の期間としてはだいたい半年くらいの出来事、という感じ。


その日常の様々なできごとは、それだけを取り出して深追いしたら大きなドラマにもなるかもしれないようなこともあるし、ちょっとした知人との会話に出てきそうなこともあるし、本当に様々で、楽しい。


その切り替えがまた、軽やか。

文章も嫌味がなくて軽やかなのに、切り替えの自然な感じと軽やかさで、一気に読んでしまった感じです。


 出てくる人も多種多様


中心にいる民子さんが50代後半。

その学生時代からの友達2人(と、当時から3人娘と言われて仲が良かった…ということだけ裏表紙に書かれています。)


その他は老若男女、とりどりに。


年齢が若い人でいうと高校生で、民子さんの友達の甥、と、そのガールフレンド。

1番年齢が上というと、民子さんのお母さんでしょうか。


誰か1人の目線で描れているのではなく、それぞれの章

文章ごとに色んな人の目線で描かれているので、その度に新しい感覚になれる。そんな物語です。


あと、出てくるワインも多種多様!

調べて買ってみたくなります。

「こんな時はこれよね」とか

「これにはこんなつまみが合うんだなあ」とか。

江國さん自身が相当なワイン好きなのかも。


 タイトルの回収


こういうタイトルの時、

「どこら辺で出てくるのか」

「あるいは全然出てこないとか」

「もしくはサリンジャーのライ麦畑でつかまえてのような…」


どれだろう?と思うわけです。


今回は、「たぶんこんな感じのことで出てくるかも」と読みつつ頭に浮かんだことが、当たっていて、ちょっと嬉しかったです。


「あるよねえ、そういうこと、あったあった。きっと思い出せないけど、友達に聞いたらあったよーって教えてくれるかも」なんて思いつつ読みました。



 ここからは雑談


学生時代になぜか仲良くなって、それぞれの生活や住む場所が変わって行っても、つながっている友人知人というのが筆者にもいて、そういう似たところがある(出てくる人物たちとは全然違うけれど、学生時代の友達という一点)から、読んでいて小気味良かったのかもしれないです。


ちょうど読んでいる期間に、そんな友達の中の1人が誕生日だったので、LINEで「おめでとー」とメッセージを送ったりしていました。


この本に出てくる3人娘もそうだけれど、色々環境が変わっても「誕生日おめでとー」と言える人がいるとか、困ったことがあった時に、全然違う環境の人にアドバイス欲しいなと思って聞ける人がいるとか、とてもありがたいし、嬉しいことなのだなと、本を読んで改めて思いました。


友達は、いてもいなくてもいいという人もいるし、友達が期間ごとにどんどん変わる人もいるし、もちろん筆者にも、会社員時代だけやりとりが頻繁にあった友達とかいましたし…人によって様々ですが、そんな「様々だよねえ」っていうところまで含めて、軽やかに描いてくれてるのがこの作品、かもしれない。



積読にしなくて良かった笑

また思い出したらたまに読むことになりそうな本です。


出版社のページこちら

http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=7595