お恥ずかしいはなし
三月になった日傘歴48年のあたくしまだ10代の若きみそらで日傘なんて、真夏でも「えっ？！」ってな顔されたが、「文句ある？」ってな顔で見返し頑張ってさし続けた。当時流行の「トースト娘」には決してなれず、湯上り娘のように真っ赤にはれた後はそばかすが残るだけの自分の肌が恨めしくて。UV加工なんてされてない白や淡いクリーム色の日傘ばかりだったので、今思えばあんまり意味がなかったかもしれぬが。そのうち、夏より前の梅雨の晴れ間にもたま～にさすようになり、ちょっと早いんでないの？！ってな視線を浴びてもめげることなく、やがて、初夏を思わせるよなGWにも解禁するようになる。その頃にはUVてな言葉も定着し始め、世間が段々私に追いついた。しかも気がつけば、こっちも中年のおばさん。日傘とおばさんなんて、もはや何の違和感もない組み合わせだ。そして、日傘は多少は花粉除けにもなることに気づき、花粉症歴これまた48年としては、3月に入れば「コートを着ながらの日傘」も数年前には解禁。ようやくここまできたか、と感慨深い。しかしのんきに感慨に浸ってる場合じゃなくなってきた。何故なら、ついにこの1年は日傘を全く使わない月が無かった、という異常事態に氷もどんどとけてると言うし・・・これから100年くらい生きるかもしれない孫達の住む地球が心配だ。今迄だってそりゃもやもや心配だったけど、切実度が違う。とまあ、孫ができたら途端にコレだ。実際、孫ができてみて、私の子育て時代には無かった色んな支援があることを初めて知った。企業からの産休、育休手当ても、結構手厚いし、国や地方自治体からの出産手当てや子育て支援がかなり充実しているように思う。いいねいいねと、最初は喜んでいたが、それはつまり、よほど少子化が深刻なのか？しかも、ただの少子化ではなく、少子高齢化だものね。これは浮かれてる場合じゃないぞと。地球温暖化に、少子高齢化。段々事の重大さがじわじわと迫ってくる（今頃かい）孫のお蔭で、日本や地球の未来について本気で考えるようになったら、急に背筋ゾクゾクっていう、実にお恥ずかしいはなしだ。
