真実は、隠蔽されている…病になる塩と健康になる塩⑤ | これでいいと思えるために。

これでいいと思えるために。

思い通りにならなくても、
どんなときも、自分らしく生きるために。

こんにちは。

 

 

前回の続きです。

 

 

 

「塩と水とがん」ユージェル・アイデミール著を読んで、製薬会社の批判をしていることがあり、ふとあることを想い出しました。それは、8年ほど前に、ある本を読んだ一節に同じことが書いてありました。

「病気は作られていて、医療関係が儲かる仕組みがある」のだと。

なので、それについて書かれている本を探したのですが、よくわかりませんでした。

ところが、今回調べてみると、それらしい本が見つかりました。

「ビッグ・ファーマ製薬会社の真実」です。

こちらの本を読むのは時間的に無理だったので、解説とコメントを載せたいと思います。

 

 

 

 

 

2005年11月  マーシャ エンジェル著

 

  医学は依然として確率の科学である。ほぼ過去半世紀の間、人類は科学的-統計学的な方法論を用いて、医学の確実性を高めるための努力を続けてきた。そしてただ科学的に誠実に研究を行うことだけが、医学の学問としての地位を高めてきた。しかしながら、本書に描かれている米国の医学研究の実態は、公正な学問であるべき医学への社会からの信頼を失わせるに十分であり、戦後米国医学が世界をリードし続けていることを考えると、医学がその存立基盤が根底から脅かされつつあることを憂慮せざるをえない。
  病気についても、人間の成り立ちについても、我々の知ることはまだ僅かである。古来、人類は病いを通じて自然を畏怖し、癒えるを以って自然の知恵に感謝したのではなかったか。しかし、本書に描かれている医師や製薬産業の姿は、傲慢にも社会を欺き、生命を冒涜しており醜悪そのものである。
 医学を司る者が神を演じようとすれば、医学的災害が生じるのは当然である。
  わが国において薬害は後をたたず繰り返され、悲しむべきことにいずれも科学的不正という人災により被害が拡大したものである。科学者の不誠実な行為が果てしない退廃と荒涼を社会にもたらすことを我々は十分に経験してきた。歴史から学ぶことができない者に、未来はない。言うまでもなく、科学的根拠に基づく医療が成り立つには、まず、公正な医学研究が行われ、その成果が公正に社会に還元されなければならない。

 本書は、医学研究が人間の都合で歪められ、正しい結果が得られていないという現実を暴き出す。医学研究における科学的非行が頻発し、医療への信頼が失われる。あるいは、科学的に質の保証されない情報がマスメディアを通じて、日夜、きわめて巧妙に人々の目に耳にすり込まれる。医薬品の開発と販売はしっかりと市場メカニズムに組み込まれ、皮肉なことにとうとう、新薬のコストは家計で賄える限界を越えてしまった。あまっさえ、本来は人間が創り出すことなどあってはならない病気という需要が人為的に創出されさえもするのだ。そしてついには医療不信から、安心と納得を求めて医療漂流民が続出する。これは他国の話ではない。わが国の現状でもあるなのである。
  科学はもはやかつてのそれではない。科学はビジネスと結びつき、その水面下では熾烈な特許戦争が繰り広げられている。今や販売戦争を勝ち抜くため研究結果を権威づける手段として世界中から競って論文が投稿されるトップ・ジャーナルは、ビジネスの僕と化しつつあるのではないか? モンスターのごとく肥大化した科学を奉じる共同体は、すでに善意によって制御しうる域を超えている。哲学のない科学は狂気(凶器)である。科学を妄信しトップ・ジャーナルを崇める状況は、何か、歪んだ宗教とでもいうべき様相を呈している。

  こうした医学研究を取り巻く狂気の渦から逃れ、真実に照らされる正しい未来への道を拓く方法はあるのだろうか?答えは単純である。我々の目指すゴールが何であり、何を信じるのか。すなわち、真実を知り、妄信の生成されるメカニズムを知ることによって、洗脳を解くことである。本書は著者のそのような使命感によって執筆されたものである。

 

 

 

ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実
製薬ビジネスにかかわるすべての人に読んでもらいたい書籍が登場した。副題が「製薬会社の真実」とあることから、本書をいわゆる暴露本ととらえる人もあるかもしれないが、その主張のほとんどはしっかりとした根拠に基づいている。著者のエンジェル氏は、医学雑誌The New England Journal of Medicineの前編集長。タイム誌が、米国で最も影響力のある25人に選んだこともある人物だ。掛け値なしに一流のジャーナリストである同氏が、「製薬企業は不誠実で狡猾だ」と全力を挙げて告発するために著したのが本書である。

「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」などその内容は刺激的である。

ただし、著者が“悪”と断じている行為は、業界にとってはどれも当然のものばかりだ。実際、製薬企業向けのセミナーでは、法の網をかいくぐって特許期間を半年でもいいから延長する方法や、ゾロ新薬をピカ新に見せかけるマーケティング手法が人気を呼んでいる。それだけに、製薬業界がこの本にどう反論するかが興味深い。

 

出版社からのコメント

巨大製薬会社が支配する医学界。
そこにもたらされる巨額の収益。
事実に基づいた明確な分析で製薬業界の隠された実態に迫る。
全米で話題騒然、待望の書、ついに邦訳なる。

抜粋

         【監訳者あとがき】 

    レッツ・ビギン!――改革は真実を見極める眼
              と語る言葉から始まる。

  本書「ビッグ・ファーマ――製薬会社の真実」の著者マーシャ・エンジェル氏は、ネイチャー、サイエンス、ランセットと並び世界の医学界でも最も権威ある雑誌のひとつ、ニューイングランド医学雑誌(NEJM)の前編集長である。その人がいわば、「医学研究はどれもこれもウソっぱち。医学者は製薬会社のいいなり」「今の新薬はどれもこれも“効かない”“高い”“工夫がない”」と、本書の最初から最後までフルスロットルで口を極めて糾弾し続けているのだ。世界の医学・新薬開発研究の最高峰である、アメリカを目指せ!と日本の研究者も製薬会社も口を揃えているというのに。有名医学雑誌の編集長という仕事は、厳選された質の高い医学研究を世界中に向けて発信し、医学界をリードする医学の守護神のはずだ。その医学の守護神が、こんな奴らは信用なり
ませんよと、医学界、製薬業界、臨床医たちを激しく追及する。これは驚くべき、危機的状況だ。以前に監訳者らは米国内科学会 (ACP)のフラッグシップ誌、アナルス・オブ・インターナル・メディスン誌の編集長、ハロルド・C・ソックス氏にインタビューした。そのとき驚いたのは、ソックス氏がアメリカで内科医・医学者として功成り名遂げた後に、医師としてのキャリアの仕上げとして医学雑誌の編集をフルタイムの仕事とし、後進の指導に使命感を持って全力で取り組んでいるということだった。そ
れほど医学の根幹を形作る誇り高い仕事なのだ。本書でエンジェル氏が医学界の現状を憂い、製薬業界を諌めているのは、実は驚くほどのことではなく、その生涯を捧げた仕事に忠実だからである。だからこそ、タイム誌はエンジェル氏をアメリカの最も影響力のある25人の中の1人に選んだ。
  本書に描かれた医学界や製薬業界の問題の数々は「病める巨人・アメリカ」を象徴している。しかし、本書の内容の裏づけとなっている数々の新聞記事や市民運動団体による重厚なレポート(その多くは、日本からでもインターネットで閲覧できる)を読むと、この国のダイナミズムを感じる。日本ならばマスコミの自主規制や業界内部の締め付けにより決して表に出るはずのない情報が、かの国ではさまざまな立場の書き手がさまざまな調査・取材を行い、隠し隔てなく社会に向けて発信される。そしてそれを支持する市民がいて、真正面から問題を受け止める責任ある立場の人々(エンジェル氏もその一人)がいる。本書で指摘されたアメリカの医療の問題は、社会にこのダイナミズムがある限り、必ず解決される。
  翻って日本はどうか。「物言えば唇寒し」の伝統があって、改革とは名ばかりで、社会にはどんよりとして沈うつな諦めモードが漂う。医療政策を決定する政府の会議でも、最初から最後まで沈黙している委員が席を占めている。役人の決めた筋道に強く異を唱えれば、必ず「パージ」される。医学界ではすさまじい言論弾圧がまかり通っていることを、医学界の外にいる読者の方々はどれほどご存知だろうか。日本の医学・医療の世界は、本書に描かれたアメリカとはまた違った形で、歪んでいる。そしてそれを改革していくダイナミズムが全くない。
  そろそろ目を覚ましてはどうだろうか。世界に冠たるアメリカの医学が本書に書かれているような状況ならば、日本が心機一転して改革を推し進めれば、世界をリードできる可能性もあるのではないか。しかも、エンジェル氏が解き明かしてくれたように、正真正銘のピカピカの新薬を開発するには、お金をくだらない宣伝や無駄な飲み食い、時間を浪費するだけの馬鹿げた研究会に使わず、本当に研究に必要な金額だけを使えばいいのだ。「薬の開発に8億ドル(800ミリオンUSD)かかるなんて、ウソ八百。1億ドルあれば薬はつくれる」。これは素晴らしいメッセージだ。宣伝費を開発費の計算から排除して戦略を立て直せばよいのだから。あるいは我々には、医学の進歩にあまり大きな期待をせず、効果の確かな薬を着実に使いこなしていくという選択肢もある。アメリカも日本も、わけも分からず医学研究のバブルに踊り、少しも人間を幸福にしないという時代は、もう終わりにしよう。それは決して難しいことではない。「真実」を見極める眼力と、それを語る言葉と勇気さえ養えば、「勝負あり」なのだから。
  監訳者らがエンジェル氏の言論に最初に注目したのは、1990年代半ばにアメリカ・フランスなど先進国が計画して、アフリカ・アジアなどの開発途上国で行われたエイズ感染予防の医学研究を「非倫理的な人体実験」であると糾弾した氏の論説であった。薬を与えるグループと与えないグループに分けて薬の効果を比較する、という試験だったからである。現在、製薬会社の特許が世界のエイズ治療を阻んでいる状況の改革を目指す活動家らによるメーリングリストを通して本書の刊行を知り、瞬間的に翻訳出版を決意した。その後も本書は世界の各所で話題に昇り、刊行から1年ですでに古典としての地位を獲得している。
  巻頭の推薦文をご寄稿いただいた福島雅典教授は、エンジェル氏にも匹敵するほどに、医師・医学者の立場から医療改革と医学研究の公正さを求める鋭く厳しい言論と実践活動を続ける、日本では類い稀な論客である。
  篠原出版新社の井澤泰氏は、同社の「患者のための医療」誌を創刊した名編集者である。訳者四4人は、高度情報化社会を背景に患者中心主義の医療を実現するため前世紀の末に産まれた「根拠に基づく医療」(EBM)の普及活動を通じて結ばれた盟友同士である。本書が広く読まれ、難題が山積される日本の医療の改革に役立つことを願ってやまない。

   2005年9月11日  言論による変革を祈念しつつ
                 栗原千絵子/斉尾 武郎

 

 

おそらく、これが現実なのだと思います。

医療という言葉を使用しながら、単なる巨大なビジネスだったことになります。

これは、広くたくさんの人に知って頂きたいことだと思います。

これを踏まえたうえで、「塩と水」を上手に使って、健康になって頂きたいと思います。

 

次回は、もう一度、塩と水の話に戻ります。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

 

そして、自己受容・他者受容・足るを知るを目指しましょう。