措置入院患者の合併症死亡は命令した県の責任とした判決 | 精神科医が日々思うこと。

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措置入院の後の入院治療中に薬剤の副作用?と推測される中毒性表皮壊死(えし)症で死亡した男性の両親が病院や県を訴えている事件での中間判決のようである。 措置入院を受け入れている民間の病院にとっては責任が県ということで安心できる判決内容だと思う。

それでは医療観察法で鑑定入院、治療入院している対象者が同じようなことになった場合は、入院を命令しているのは裁判所(国の出先機関)なので、入院中治療の経過で患者になにか事故起こったりした場合にその責任は国が取ってくれるのであろうか? 普段医療観察法の患者とかかわっている立場としてはそこらへんが疑問である。

以下 引用

医療行為は公権力行使 病院側の賠償責任否定

12月11日9時58分配信 河北新報


 仙台市宮城野区の病院に統合失調症で入院中に死亡した石巻市の男性=当時(29)=の両親が病院の運営法人に3300万円、病院への措置入院を決めた宮城県に140万円の損害賠償をそれぞれ求めた2つの訴訟で、仙台地裁は10日、病院への請求を棄却する判決を言い渡した。一方、県が被告の訴訟では「措置入院先の病院での医療行為は公権力の行使に当たる」との中間判決を出した。

 両訴訟はこれまで、男性が死亡した過失責任が法人と県のどちらにあるのかが、争点となっていた。判決と中間判決により、今後は県の過失責任の有無をめぐる訴訟に一本化される。

 畑中芳子裁判長は「措置入院者に対する病院の医師らの医療行為は県の公権力の行使に当たり、公務員の職務行為と解される。損害賠償責任を負うのは県で、医師や病院は負わない」と述べた。

 判決によると、男性は2006年4月、県の決定で同病院に措置入院し、向精神薬の投薬治療を受けた。歯痛を併発し、鎮痛剤を投与されたが、次第に全身の皮膚がただれ、同年5月に中毒性表皮壊死(えし)症で死亡した。