〈佐川氏証人喚問〉昭恵氏付職員は財務省に電話しただけというウソと部下の命もないがしろにする佐川氏 | すくらむ

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 昨日(3月27日)の佐川宣寿氏(前財務省理財局長)の森友問題に関する証人喚問について、経済産業省の仲間でつくる全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康さんが感想を書いてくれたので以下紹介します。

 3月27日の佐川氏の証人喚問を聞いていて思ったことを書いてみたいと思います。

 森友決裁文書の改ざんについては刑事訴追を受けるので答弁は差し支えると答えることは、想定していたことなので、そんなものだろうという感想しかありません。

部下の命よりも自分の身が可愛い自己中心的な佐川氏

 改ざんの責任は自分にあると言いつつ、公明党竹内議員が近畿財務局の職員が自分一人の責任にされてしまうという遺書を残して自殺した件について質問しても、通り一遍のお悔やみを言った後に、経緯について承知していないので何も言えないと言い、さらに竹内議員が申し訳ないの一言くらいないのかと言うと、「もし仮に、私は本当の事実関係は承知しないのですが、もし仮にそういう連絡、担当の職員であられたということであって、もし仮にそういうことということであれば、それは理財局として、こういう決裁文書の書き換えをしたということにつながるということでありますれば、それは本当に申し訳ないことだというふうに思います。」と、「もし仮」にを連発してからの謝罪でした。自殺した経緯を認めたら刑事訴追を受けると考えての発言であり、部下の命よりも自分の身が可愛いい自己中心的な人間としか思えません。こんな人が財務省のトップに近いところまで登り詰めたのかと思うと暗澹たる気持ちです。

混乱で丁寧な答弁ができなかったというのは理由にならない

 次に昨年の国会での答弁は毎日、月曜から金曜まで毎週、何十問も質問通告があったり、資料請求や情報開示請求があったので混乱していたため丁寧な答弁をできなかったと言ったことです。普通、そんな状況ならば「書類はない」「記録はない」「金額も提示していない」など断定する答弁ではなく「書類があるかも含めて調査中」「金額は提示していないと考えるが、なお関係者に確認する」など先延ばしをする答弁をすると思いますので、理財局が混乱していたというのは理由になりません。

 こんなことを理由にしたのは、安倍首相が2月17日に妻か私が関係していたら総理大臣も国会議員も辞めると言ったことで、すべてなしという答弁をせざるを得なかったことの証拠です。

 昨年のすべてなし答弁、決裁文書の改ざんは行政府が立法府をないがしろにしただけでなく、それについて財務大臣も誰も関与していないということであれば、財務省のガバナンスができていないことになります。

“谷査恵子さんは財務省への電話だけ”は絶対あり得ない

 最後に安倍昭恵夫人付職員の谷査恵子さんが財務省の田村国有財産審理室長に「電話で話した」と話した時には、思わず飲んでいたコーヒーを吹き出してしまいました。

 谷さんが籠池氏に送ったFAXには田村室長から10年定期借地の是非、50年定借への変更の可能性、土地汚染や埋設物の撤去期間に関する資料の扱い、工事費の立て替え払いの予算化について回答があったと書いてあり、その内容も国有財産有償貸付合意書の条文まで引用している文もあります。

 電話でのやりとりで、ここまで書けるとしたら、田村室長がヒマで何時間も電話で答えてくれる天使のような人で、谷さんは電話で聞いただけで、まるで財務省の職員が書くような文書を書ける優秀な人である場合だけです。

谷査恵子さんと財務省のやり取りの文書は絶対にある

 国家公務員は外部に文書で答えるときは、「てにをは」まで気をつけて書くもので、絶対に他人任せにせず自分で書きます。また、これだけの内容の問い合わせならば、まちがった答えはできないので「絶対に文書で寄こせ」と言うはずです。

 佐川氏が田村室長と谷さんは電話で話したと言ったのは、「電話で話したから書類はない」というための伏線だと思います。

 私は佐川氏は自分の保身と安部政権を守るためには、嘘も平気で言い、自殺した部下に対しても形式的な謝罪しかしないという人間として最低持っておくべき良心もない人なのだと思いました。

 それから自民党の丸川珠代氏が「指示はありませんでしたね」と安倍晋三首相や昭恵氏らが改ざんを指示したのか一つずつ確認してみせ、佐川氏は全て否定し、「総理、総理夫人、官邸の関与はなかったという証言を得られた」などと丸川氏が証人喚問を締めくくりました。しかし、佐川氏は自分は改ざんに関与していないと言っているのに、なぜ安倍首相や昭恵氏、首相官邸の関与はなかったと断言できるのか、まったく矛盾しています。

疑惑はさらに深まった
ただちに昭恵氏の証人喚問を


 疑惑はさらに深まったわけで、これから谷さんを証人喚問という要求が強くなるでしょうが、もし、谷さんが証人喚問に出てきて、昭恵氏の関与を認めたら安部政権は吹っ飛び、認めなければ嘘をつくことになり、彼女は心に大きな重荷を背負っていくことになるでしょう。

 経済産業省の後輩にそんな辛い思いをさせたくないので、昭恵氏が証人喚問に応じて国会で真実を話して、この問題を終わりにして欲しいと思います。

 それと私たちは国家公務員の仲間でつくる労働組合として、下記バナーにあるように森友公文書改ざんの真相究明などを求める緊急院内シンポジウムを4月10日に開催することになりました。前川喜平前文科事務次官などにも協力を得ながら、私自身もこのシンポジウムで発言しますので、ぜひご参加いただければと思います。(全経済産業労働組合副委員長・飯塚盛康)