自分の癒着にメス入れられない細川元首相に原発利益共同体へメス入れる脱原発ができるわけがない | すくらむ

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 細川護煕元首相が東京都知事選挙(23日告示、2月9日投開票)に出馬する意向を固めたとのマスコミ報道がされています。政治家の評価で最も大事なのは実績です。「国会会議録検索システム」から「細川護煕」で検索すれば、細川元首相の国会答弁をすべて読むことができます。ほんの一部ですが、細川元首相が佐川急便の1億円問題について国会で語っていたことを紹介します。

 ▼129国会 衆議院 予算委員会
  1994年(平成6年)6月21日


 細川護煕氏 利息を佐川からの政治献金として扱っていたと、これだけでもやはり大きな問題であると思います。

 それからまた、NTTの株式の問題につきましても、私の事務所の口座を通っていた、これも誤解を招くようなことであったと、こう申し上げたわけでございまして、その資金運用の問題につきましては、その時点ではわかりませんでしたが、その後、税務申告、修正申告の手続をとったということでございますが、その時点におきましては、やはりこれも先ほど申しましたように、誤解を招くような資金運用を任せていた、こういうことでございますから、これについてはやはり道義的責任があると。

 そして何よりもやはり、先ほども申しましたように、このことによって政治的な空白というものがさらに続くという事態は何としても避けなければならない、こういう判断に立って総理としての職を辞する決意をしたと、こういうことでございます。

 当時、特によく知っている、親しくしている銀行というものもございませんでしたし、また佐川氏の方とは京都の家などの賃貸を通じまして親しくいたしておりましたから、そういう関係上気軽に私の方としては、こういう事情なので、今いろいろ銀行などにも話しているけれどもなかなか簡単ではない、1億円借りられれば大変ありがたい、こういった趣旨の話をしたのではなかったかというふうに思っております。

 58年には知事選挙というものもございましたから、そのための資金というものも既に6千万ほど貸し付けてもおりましたし、またその後知事選挙ということを考えると、その分の手持ち資金というものはやはり用意をしておかなければならないであろう、しかし個人的な使途に関するものにつきましては、山門、土塀であるとかあるいはマンションの購入であるとか、こうしたものにつきましては、ぜひそういうこともございますから佐川さんから借入をしてやっておきたい、こういう意識があったのだと思っております。

 トータルで三千数百万ということでございますが、十回に分けてそれを返したということですから、一番多いときでも単純に割っても800万、一番多いときで800万、最終的には数十万ということになるわけでございましょうが、そういうことでございますから、毎年だんだん減っていくその利息分についてそれは事務所から報告がなかったということは、政治献金として処理していたということについて報告がなかったということは、これは大変大きな問題だと思いますが、ただ、実態としては、そのような処理をしてきたということは誤解を招くような事実であって、まさにそのことについて私は責任をとって総理を辞任させていただいたということでございますから、その点については大変申しわけないことだと思いますし、また、私の今資産のことについてのお尋ねでございましたが、私は資産のことにつきましてはすべて事務所に任せてきたということを、これは再々この本委員会でも申し上げてきたことでございます。

▼129国会 参議院 予算委員会
 1994年(平成6年)3月31日


 細川護熙氏 登記などが終了した後まで領収書を残しておく必要もないといったようなことなどから、これは午前中も御説明をしたわけでございますが、そういったような事情などもございまして、私の事務所でなかなか書類が見つからないということのために、佐川側に対して書類が残っていないかどうかということを調べていただいて、今お示しになりました領収書の控えが出てきたわけでございます。それを提出していただいたということでございます。

 したがって、あくまでもこれは領収書ではなくて、金銭の受領者が発行した領収書の内容を記録として残すための控えでございますから、ですから、発行者が佐川急便であることを記載する必要がないのは当然のことだと思いますし、また、控えに捺印をしたりあるいは収入印紙を張るなどということはあり得ない話でありまして、そのことは明白であろうと思います。

 ただ、その領収書がどこから出てきたのか、本当に佐川急便から出てきたのか、こういうお尋ねかと思いますが、これは佐川の側から6点つづりのセットの送付状の表書きにも佐川急便の会社の印鑑を押してこちらに御提出をいただいて、それを理事会の方に資料として出させていただいているわけでございますから、佐川側からこの資料が出てきたということは明白である、こういうふうに申し上げているわけでございます。

細川


 以上が細川元首相の国会答弁の一部です。昨日、ツイートで紹介した上の画像にある「領収証」は1千万円と書いてありますが、上記の細川元首相の国会答弁を読むと、1億円を10回に分けて返したということで「1千万円」の「領収証」になっているということです。そして、「コクヨの市販されておる領収書で、名前も、だれが発行したかもわからない、判も押してない、番号もない」もので、医療グループ「徳洲会」側から5千万円を借りたとして、猪瀬前都知事が辞任直前に公開した不可解な「借用証」とまさに重なるわけです。

 一部に脱原発のために細川元首相をかつぎだせばいいというような論調もありますが、原発を推進しているものは、巨額の原発マネーをめぐる原発利益共同体とも呼ばれる政・財・官僚・御用学者・メディアによる利権・癒着構造です。こうしたカネ・利権・癒着構造にメスを入れていかなければ、脱原発は実現しません。自分自身のカネ・利権・癒着構造にさえメスを入れられなかった細川元首相に、原発利益共同体へのメスを入れられるわけがないでしょう。

(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)