NPO官製ワーキングプア研究会の設立へ-非正規公務員からの労働相談受け付けと情報提供を柱に | すくらむ

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 ※「連合通信・隔日版」(2011年9月17日付No.8509)からの転載です。【★「連合通信」の購読申し込みはこちらへ】


官製ワーキングプア問題の解決はかるNPO設立へ
10月末にも総会 労働相談受け付けと情報提供が柱


 非正規公務員らの処遇改善を全国規模でめざす「官製ワーキングプア研究会」が設立される。10月末予定の第1回総会を経て、来年1月にも東京都からNPO(特定非営利活動法人)の認証を受ける見通し。


 新たな研究会は、2009年から開かれている「なくそう!官製ワーキングプア 反貧困集会」を企画したメンバーらの呼びかけで設立。東京・四谷に事務所を構えて、理事にはジャーナリストの竹信三恵子・和光大教授や非正規公務員の雇い止め訴訟の原告や弁護士、労組関係者らが無報酬で就く予定だ。


 泣き寝入りさせない


 研究会は、国と地方自治体で約75万人に上るとされる非正規公務員や、行政の委託業務に就く労働者の処遇改善をめざす。「反貧困集会」では、非正規が雇い止め撤回を求めて裁判で争う例や、委託現場の労働者が劣悪な待遇に置かれた実態が明るみになる一方で、たたかいの事例が共有されずに、雇い止めされても泣き寝入りするケースが多いことも見えてきた。


 研究会ではこうした実態を改めようと、全国の非正規労働者からの相談を常時受け付ける。電話やメールなどで相談があれば、提携している最寄りの労組や弁護士を紹介して問題解決に当たる。すでに北海道から沖縄にかけて提携先を確保。労組も上部団体に関係なく加わっている。


 各地の雇い止め訴訟や労働委員会での争議の情報を集めて提供するサービスも手がける。ホームページやブログを通して情報を関係者に広めて、裁判闘争にも踏み切れる土台をつくるのが狙いだ。官製ワーキングプアの問題を社会全体に伝えるために、独自調査を進めて発表するほか、機関紙も定期的に発行していく。


 当局とも関係構築


 自治体当局との接点も強めるのも大きな目的だ。正規と非正規の格差を背景に、職場環境の悪化が進む現状に悩む自治体も少なくないからだ。研究会ではそうした自治体からの相談を受け付けるほか、学習会に講師を派遣して改善のきっかけづくりを試みる。


 理事長に就任する白石孝・前荒川区職労書記長は「労使だけでは取り組みにくい問題もNPOならば可能なことがある。研究会を官製ワーキングプア解決の専門店にしたい」と意気込んでいる。


 NPO官製ワーキングプア研究会の活動内容


 ○非正規公務員からの労働相談受け付け
 ○地元の相談窓口(労組・弁護士)へ紹介
 (提携先=北海道から沖縄まで)
 ○裁判、労働委員会の争議の情報収集・提供
 ○自治体当局からの相談も受け付け
 ○学習会、研究会の定期開催
 ○官製ワーキングプア専門の機関紙発行