公設派遣村「無断外泊」は行政の無策 | すくらむ

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 「公設派遣村」についての新聞報道で、毎日新聞(1月7日11時24分毎日jp掲載)による「6日には約600人の入所者に『2週間分のハローワークなどへの交通費や昼食代』として2万円が支給された。都は当初『1日1000円』を支給する方針だったが、『細切れの支給は入所者に不便』という同会(※ワンストップの会)の意見を取り入れた」という部分と、朝日新聞(1月7日15時0分asahi.com掲載)による「昨冬の派遣村の実行委員らでつくる『年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会』(※ワンストップの会)は『現金を持ち慣れていない人が多いだけに、一括ではなく2~3日分ずつ渡すなどの配慮が必要だった』と指摘する」という部分の矛盾をとらえて、ワンストップの会を批判するコメントが続いています。


 事実経過は以下です。


 ワンストップの会は、昨年の「年越し派遣村」のときから、村民の方にお金を渡す際に、まとまったお金を持ち慣れていない人が多いだけに、落としたりするトラブルもあるため、一度に万単位のお金は渡さないように運営していた経験からも、都に対して「一括支給」を求めた事実はありません。(※ワンストップの会は、旧派遣村実行委員会を中心に構成されています)


 当初、都は1日分の交通費1000円だけを支給していましたが、長蛇の列ができて、1時間半も待たなければならない人もいました。こうした状況に対して、ワンストップの会は「1日1000円の支給はあまりに細切れすぎて不便ではないか。2~3日分ずつの支給にすべきではないか」という意見を言いました。


 それに対して、都は2万円を一括支給するとしました。ワンストップの会は、「2万円は大き過ぎる。お金を落としたりするトラブルなどにつながるため、2~3日分程度にすべき」という意見を都に言いましたが、都の方が事務手続きの軽減を理由にして一括支給してしまいました。


 これが「細切れの支給は入所者に不便」と「現金を持ち慣れていない人が多いだけに、一括ではなく2~3日分ずつ渡すなどの配慮が必要だった」とワンストップの会が意見を言ったことの事実経過です。


 朝日新聞(1月13日付東京朝刊)の「『派遣村』無断外泊は行政の無策」という記事では、「利用者のうち約200人が、都が禁じた無断外泊をしたという。都は求職交通費として2万円を支給していた。都知事は待ってましたとばかりに施設提供を延長せず18日に打ち切る、とした。行政が利用者の実態を把握していないことを痛感する。就職活動や生活保護申請で門前払いされ、路上生活を強いられたあげく数百円の所持金で駆け込んだ人々だ。2万円という大金は、行政からの手切れ金と見えても仕方ないのではないか。将来の展望についても十分説明したのか。無断外泊者が出た事実は、行政の不用意な対応の結果だ。無断外泊せずに残る人たちがいる。彼らの今後の生活支援に責任を持ってほしい」と指摘しています。数字の部分はともかく、同感です。
(byノックオン)