県が官製ワーキングプアなくす先頭に立ち、臨時・嘱託・非常勤職員の待遇改善へ沖縄県議会が陳情採択 | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 ※「自治労連速報」(2009年7月15日第3010号)より転載します。


 県で働く非正規職員の時給1000円等の待遇改善を求める陳情
 沖縄県議会、全会一致で採択される/自治労連沖縄県事務所


 沖縄自治体一般労組は、県内自治体で働く臨時・非常勤・嘱託職員等の実態アンケート調査を県労連と一緒に3年連続実施してきました。このなかで「月額15万円以下の低賃金」、「あまりにひどい正規との待遇格差」、「期限付き雇用不安」などのひどい実態が浮き彫りになり、そのことを報じた地元紙によって社会的関心を呼びおこしました。


 自治体一般労組は、「自治体がワーキングプアをつくるな」「非正規の不安定な雇用を改善せよ」の声を直接、県と議会にぶつけていくことが重要だ、県が先頭にたつことなしに自治体から貧困・格差はなくならないとの思いから、県労連と協力し、実態アンケートを踏まえた「県がワーキングプアをなくす先頭に立ち、非正規等の待遇改善を求める陳情書」を県知事と県議会へ提出・要請しました。


 その結果、7月9日の県議会本会議において全会一致で採択される快挙となりました。


 「県が官製ワーキングプアをなくす先頭にたち、非正規賃金を時給1,000円以上に引き上げること」等の陳情が採択された意義は大きく、今後の団体交渉や市町村議会への働きかけ等、非正規労働者の待遇改善の取り組みをいっそう強化していく決意を固めています。


《※採択された陳情書》


沖縄県議会
議長 高嶺善伸 様
                            沖縄県労働組合総連合
                            議長 宮城常和


       県がワーキングプアをなくす先頭に立ち、

       非正規等の待遇改善を求める陳情書


 沖縄県労連は、県内自治体における非正規職員が急増するなか、非正規の労働条件の実態に光をあてて3年連続の自治体アンケート調査にとりくんできました。この調査によれば非正規職員の比率は平均して33%で、5割を超える自治体が3自治体、4割を超える自治体は13自治体に増えています。


 このように非正規職員が正規職員と肩を並べて住民サービスの最前線業務を支えているにもかかわらず、賃金は150万円前後の年収しかない、官製ワーキングプアの実態の一端が明らかになりました。同じ仕事をしながら自治体間で賃金格差は広がる一方、雇用は不安定なうえ何年働こうが賃金の引き上げも一時金・退職金等の手当もない無権利状態に置かれています。


 全国と比べて依然として高い失業率と全国で最も低い県民所得のなかで、ますます貧困と格差が広がり、貧困と失業の悪循環で苦しむ県民が増え続けています。こうしたなかで貧困と格差の現実を直視し、非正規職員等の賃金・労働条件の抜本的な改善に取り組むことは、県政の重要な課題と考えるものです。貴議会におかれましては、県が率先して待遇改善の先頭にたっていただきますよう陳情いたします。


                     記


 1.県が官製ワーキングプアをなくす先頭にたち、臨時・嘱託・非常勤などの賃金を改善し、時間額1,000円以上に引き上げること。


 2.自治体で働く非正規職員の願いは、「専門性と経験が生かされる仕事」「自立して生活できる賃金」「雇用不安の解消」等です。「1年」・「3年」の「期間満了」を口実にした、一律的な雇い止めはしないこと。恒常的な職については正規職員化を図ること。


 3.業務委託や指定管理者制度など、アウトソーシングで働く労働者の実態把握に努め、適正な賃金・労働条件を確保するよう県として公募要件の一つとして労働者の賃金単価基準を設定する、低賃金・低価格受注を防止する「最低制限価格制度」等を活用して受注業者を指導すること。これらの点を盛り込んだ公契約に関する条例を策定すること。


 4.教育予算を拡充し、義務教育費国庫負担制度については、国の負担率を2分の1に復元するよう国に要請すること。