「官から民へ」の「民営化」とは政商・企業による「私物化」のこと | すくらむ

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 『週刊東洋経済』(2/21)に、北海道大学・山口二郎教授が、「FOCUS政治 総選挙の争点」の中で、「小泉時代の構造改革の虚妄」の「もっともスキャンダラスな事例」として、小泉構造改革の本丸と称した「郵政民営化」に伴う「かんぽの宿売却問題」を取り上げながら、「官から民へ」の「民営化」というのは、じつは政商・企業による「私物化」であるとズバリ本質をついています。


 また、「かんぽの宿」などの利権のみならず、「官から民へ」は地方を切り捨てて、地域住民の生活を劣化させるものであることも指摘しています。以下、コラムの一部を紹介します。


 「この一件には、小泉構造改革の胡散臭さが象徴されているように思える。オリックスグループの総帥、宮内義彦氏は、規制改革会議の議長として、小泉構造改革の司令塔の一角を担った人物である。規制改革と郵政民営化は関係ないなどと弁明しているようだが、屁理屈という言葉がこれ以上ぴったり当てはまるケースはない。『官から民へ』というスローガンをふりまき、政府が行うことはすべて悪で、民間はすべて善という単純な世論を作ったことについて、宮内の功績は大である。その宮内の会社が、民営化に伴って放出される簡易保険の資産を安値で買収するというのだから、語るに落ちる話である」


 「民営化は、Privatizationの訳語である。この言葉を民営化と訳したのは誤りだったように思える。むしろ、単刀直入に私物化と言った方が、事の本質がよく分かる。民営化には必ず私物化が付きまとう。国民の財産だったものを私物化し、金儲けを図ろうという発想は、明治以来政商と言われる連中に共通したものである。小泉構造改革も、民営化や規制緩和を利権の種にしたい政商の暗躍を許す結果になった。郵政民営化が高邁な改革ではなかったことを、一連の事件は教えている」


 「利権のみならず、民営化は非大都市圏の地域における金融、保険、郵便サービスの劣化を招き、ただでさえ疲弊している地方の足を引っ張る形になっている。『官から民へ』で地方が活性化するなどというのは嘘っぱちであることを、住民は理解している。三カ月ほど前に、北海道北部の武部勤元幹事長の地元に行ってみたが、民営化や地方切り捨て策を推進されたことに対する地元民の怒りは、すさまじいものであった」


(byノックオン ※今月中に『日本労働年鑑』の原稿を仕上げねばならず 、いよいよもって窮地に立たされています叫び。みなさん、来月またお会いしましょう!?