「最近の非正規雇用の動向」を内閣府が分析~ロスジェネの契約・派遣社員の増加が目立つ | すくらむ

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 内閣府が、8月25日、レポート「最近の非正規雇用の動向」を発表しました。いわゆる「就職氷河期世代」「ロストジェネレーション」を含む25歳から39歳の世代に着目して分析。「他の世代と比べて非正規雇用比率が特に高いわけではないが、過去5年では男女問わず契約社員や派遣社員の増加が目立っている」と指摘しています。以下、内閣府の分析です。(byノックオン)


 総務省「就業構造基本調査」によると、いわゆる非正規雇用比率(パート、アルバイト、派遣社員等が雇用者【役員を除く】に占める割合)は1980年代後半以降緩やかな上昇傾向を続けており、2007年には35.5%に達した。男女別にみると男性が19.9%、女性が55.2%と女性が高い比率となっている(図1 ※図の上でクリックすると拡大して見ることができます)。



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 また雇用形態別の内訳を男女別にみると、男性はアルバイト、契約社員の比率が高いのに対して、女性は3分の1がパートとなっている(図2)。


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 この構成を年齢別に詳しくみてみると(図3)、①24歳以下の年齢層では男女とも「アルバイト」が高い割合を占めている、②女性においては高齢になるほど「パート」の割合が高まり、非正規雇用比率を押し上げている、③男性では25~59歳では非正規雇用比率はそれほど高くないが、定年年齢の60歳を超えると急激に上昇する、などの特徴がみられる。とくに60歳以上の男性では、定年退職後の継続・再雇用において、「嘱託」や「契約社員」など、正規の従業員・職員以外の形態が主であることが見て取れる。



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 一方、いわゆる「就職氷河期」世代(概ね1970年代前半から1980年代初頭生まれ)を含む25~39歳の世代では、他の世代と比べて非正規雇用比率が特に高いわけではないが、過去5年においては、男女を問わず契約社員や派遣社員の増加が目立っている(図4)。


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 以上のような非正規雇用者の賃金カーブをみると、正社員が50歳台前半まで上昇トレンドにあるのに対して、加齢による賃金の上昇がほとんどなく、ほぼフラットな形状となっており、正社員との差が拡大していく形となっている(図5)。


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 また、この世代の所得分布をみると、契約・派遣社員と正社員との間には大きな差がみられる(図6)。


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 このように賃金において厳しい面があるのに加え、転職後の雇用形態をみると、派遣社員や契約社員の場合は、正社員として働く割合が正社員の場合よりも低い傾向がみられる(図7)。


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 今後の雇用情勢をみる上では、このような比較的若い世代の非正規雇用をめぐる構造上の特徴について、十分に留意する必要がある。