殺すな、生きさせろ!(9条世界会議顛末記) | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 幕張メッセが自宅から近いこともあり、きょう高校1年生の娘といっしょに9条世界会議の全体会をのぞきに出かけました。ところが、会場を遙か彼方にして長蛇の列。数千人が会場に入れずにいたのです。9条を守ろうとする流れが大きくなっていることを実感しつつ、国公労連や全労連の役職員数名がスタッフとして会場整理をしていたので、思わず「入れてくんない?」と言ったのですが、「不正はダメ」とごもっともな対応で、すごすごと帰ってきた次第。仕方なく9条世界会議のホームページでもチェックしようと思いアクセスしたら、なんとライブでネット中継していました。


 ちょうど一番聞きたいと思っていたトークセッション「イラク、アメリカ、日本」が始まりました。出演は、アン・ライト(アメリカ/元陸軍大佐・外交官、反戦活動家)、カーシム・トゥルキ(イラク/人道支援ワーカー)、エイダン・デルガド(アメリカ/イラク帰還兵)、雨宮処凛(日本/作家)、高遠菜穂子(日本/イラク支援ボランティア)で、予定では、ジャーナリストの堤未果さんが司会となっていましたが、高遠さんが司会をしていました。


 予定していたプログラムより相当時間が押してるみたいで、あっというまに終わってしまいましたが、国公一般的にはやはり雨宮さんのトークが良かったので要旨を紹介します。


 貧困率が世界第2位となった貧困大国ニッポン。ネットカフェ難民、ワーキングプアが特に青年層に広がる中で、「希望は戦争」と言う青年も出てくる状況下にある。実際にワーキングプアの青年たちが自衛隊にリクルートされており、貧困層が戦争に駆り出されるアメリカに近い状況になっていると感じる。


 非正規の青年労働者は、何年働いてもワーキングプアから抜け出せないわけで、未来への希望が持てない。ニートでもひきこもりでも自衛隊なら“再チャレンジ”でき、安定した収入が得られ、家族を持ち子どもも育てられる。食べていくことができず未来もないワーキングプアより、戦場へ駆り出されても、生活ができる方がいいという選択が広がっていきかねない状況だ。


 日本政府の新自由主義政策で、いま日本は一日に100人が自殺し、餓死者は10年で800人を超え、国民の多くを棄民化・難民化している。貧困をなくすという最低限の政府の仕事さえ、日本政府はやっていない。後期高齢者医療制度の問題に見られるように、政府は人の命にまで格差をつけている。これは、政府により格差をつけられた人間が戦場に駆り出されるということにつながっていく。世界第3位の軍事費を削って、世界第2位の貧困をなくすことにこそ使うべきだ。


 軍事費を削って生存権を守れ!

 殺すことより、生きることに使え!

 政府は憲法9条と25条を守れ!(雨宮処凛)


(byノックオン)


9条世界会議