サルタヒコの偉業 | 神々様の童話作家 あいかわゆき

神々様の童話作家 あいかわゆき

縄文時代の指導者であられた日本の神々様の物語★
神々様の愛を伝えながら、本当の日本を取り戻すお手伝いが
できればと願っています。

サルタヒコさまに道案内をたのんで、ニニキネさまご一行が先を進んでいくと、なだらかで、とても歩きやすい道が、目の前にあらわれました。

 

ニニキネさまは驚いて、

 

「この場所は、険しい峠が続くと聞いていたが、この道は、そなたが切り開いたのか」

 

と、サルタヒコさまにたずねました。

 

「はい、さようでございます。迂回せずに、琵琶湖に沿っていけるよう、三つの峠をけずり取って、あちら側に移しました」

 

サルタヒコさまが指し示す方向を見ると、湖の反対側に、こんもりと三つの小山ができています(注1)。

 

「ほう、これは見事な」

 

ニニキネさまは、お日さまの光が輝く湖の向こう岸を、まぶしそうに眺めました。

 

「あまった土で、川をせきとめ、傾斜地に棚田(注2)も作っておきました」

 

「うむ。千里眼を持っている上に、これだけの大仕事を、あっという間にやり遂げたそなたは、ただ者ではあるまい。ほうびに、三尾の神(注3)の名を与えよう。そして、アメノウスメを妻とするがよい」

 

ニニキネさまのお言葉に、ウスメさまの頬が、ばら色に染まりました。

 

その後、サルタヒコさまとウスメさまは、おふたりで、お神楽の家元にもなられ、子々孫々まで栄えたということです。

 

サルタヒコさまが、ニニキネさまにみあえをご用意したお宮は、現在も白髭神社として残っています。

 

 

注1)滋賀県野洲市の三上山

注2) 山のしゃめんなどに、かいだんじょうにつくられている田んぼ

注3)三つのとうげ(尾根)を切りひらいたことから名づけられた。

 

崇尾青見先生が描かれた猿田彦命の神絵の画像

 

 

 

 

著書の印税などは、すべて、神様のための活動に使わせていただいておりますm(__)m