たのもしく男前のサルタヒコ | 神々様の童話作家 あいかわゆき

神々様の童話作家 あいかわゆき

縄文時代の指導者であられた日本の神々様の物語★
神々様の愛を伝えながら、本当の日本を取り戻すお手伝いが
できればと願っています。

「ところで、サルタヒコさまは、ニニキネさまがこちらに行幸されるのを、どうしてごぞんじだったのですか」

 

ウスメさまがたずねると、

 

「それはもう、わしは、千里眼だからな」

 

と、サルタヒコさまはいって、楽しそうに笑いました。

 

ウスメさまは、いっしゅん、おどろいた顔をされましたが、たのもしくて男前なサルタヒコさまに、うっとり見とれてしまいました。こんなにすてきな殿方と出会えて、なんてしあわせなのだろうと思いながら、ウスメさまは、つづけてたずねました。

 

「ここから先は、けわしい山がつづくと聞きますが、どの道をとおるのが、いちばんよいと思われますか」

 

「しんぱいにはおよばん。わしが、あんないしよう」

 

「心強いおことば、ニニキネさまも、およろこびになられることでしょう」

 

れいせいをよそおってこたえたものの、ウスメさまは、むねがドキドキしていました。

 

「サルタヒコさまは、ニニキネさまの行き先を、ごぞんじですか」

 

「もちろんだとも。筑紫へ行かれるのだろう」

 

「そこまでごぞんじでしたか」

 

「もちろんだとも。ニニキネさまに、おとりつぎくださるか」

 

「はい、よろこんで」

 

「それは、ありがたい。じゅんびばんたんととのえて、まっておったから、そなたも、ニニキネさまによろこばれるであろう」

 

こうして、ニニキネさまは、サルタヒコさまのごこういを、お受けになることになったのです。