昨年(2019年)、「環境放射能除染学会」から、私たち「行健(こうけん)除染ネットワーク」は、市民団体として功労賞の表彰をいただきました。
▼受賞についてはコチラをご覧ください。
https://ameblo.jp/koken-josen-net/entry-12562961149.html
この「環境放射能除染学会」の学会誌に寄稿しました。
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このたびは、市民団体として功労賞を賜り、まことにありがとうございました。さらに、貴学会からは日ごろより多くの知見や情報をいただいており、深い感謝の念にたえません。
さて私たちは、2011(平成23)年5月から福島県郡山市を中心に除染(線量低減化活動)と放射線量測定&マップ作成のボランティア活動を続けています。
東京電力福島第一原子力発電所の爆発でまきちらされた放射性物質が、この年の3月15日午後、みぞれとともに郡山市内に降ってきました。
外出を控えること、外出時にはマスクをすること、窓を開けないこと、換気扇やエアコンを使用しないこと、そんな注意が市から発せられ、市内の小中学校は休校したまま春休みに入りました。
そして4月になって、例年より1週間遅れで新学期が始まることになり、始業式前日に私たちPTA役員(当時)が小学校の校長室に集められました。
役員の多くが楽観的な見解を述べる中、校長先生(当時)が「東京電力の原発に今度何かあったら、市は子どもたちだけを避難させる準備を進めている」と話し、場の雰囲気は一変しました。
原発事故直後から、校長先生は自ら放射線量をはかり、洗ったり土をはいだりして、放射線量の下がることを確認していました。
そして、「何もしなかった春休みの期間がくやしい。あのときから、大人たちがこうやっていれば、もっと下がっていたのに」とおっしゃいました。
私たちが活動を始めたきっかけは、このときの校長先生の行動と言葉を目の当たりにして、自分たちも一緒にやりたい、子どものために役に立ちたいと思ったからです。こうして有志で校内の除染活動(線量低減化活動)を進めました。
一方で、夏休み直前になって、手つかずだった学校の外を何とかしたいと、学区内放射線量マップを作成しました。せめて線量の高いところに近づかないでほしいとの思いでした。
これが、行健除染ネットワークとしての始まりでした。
このときから、学校の外の放射線対策にも乗り出しました。
公道で行った鼓笛隊パレードには、散水車をレンタルして散水し、放射性物質の舞い上がりを防ぎました。
トラックの荷台にエンジン式の高圧洗浄機とタンクを積んで、通学路除染も始めました。(その後に高圧洗浄機を使わずに放射性物質を集める方法に変えました。)
私たちはボランティアですが、除染を業務として行う者が必要な教育も受け、資格も取りました。
行政除染も一巡した現在は、線量測定が主な活動となっており、活動の範囲は福島県内外に広がっています。
そして、放射線の影響についてはさまざまな見解がありますので、私たちの判断を加えることはせず、測定結果のみを発信することに努めています。
原発事故から8年経ち、私たちの子どもは大人になりつつありますが、一方で、現在、子の親となり、あらたに放射線の影響に不安を持つ方もいらっしゃいます。
そして、行政のモニタリング体制は縮小しつつあります。
こうした状況で、まだしばらくは、この活動を続けていきたいと考えております。
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(福島県郡山市 除染 放射線量測定 ボランティア)
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