1998年公開/アメリカ/170分
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ロバート・レッドフォード、クリスティン・スコット・トーマス、スカーレット・ヨハンソン ほか
13歳の少女・グレース(スカーレット・ヨハンソン)は、乗馬中の事故で、右足と、大切な親友を失う。
愛馬・ピルグリムも心と体に大きな傷を負い、手に負えない暴れ馬になってしまった。
雑誌編集長の母・アニー(クリスティン・スコット・トーマス)は、馬の心を癒す力を持つ、ホース・ウィスパラーという人たちがいることを知り、傷ついた娘と馬を連れ、トム・ブッカー(ロバート・レッドフォード)のもとを訪ねる。
モンタナの大自然の中で、時間をかけながらピルグリムの心を開いていくトム。
その様子に触れながら、少しずつ明るさを取り戻していくグレース。
馬と娘を見守る中で、母・アニーもトムに惹かれていく。
物語の中で、母・アニーがトムに対し、「馬はいつ治るか」と尋ねるシーンがあります。
トムは「馬次第」と答える。
そしてトムは、馬の心の中を知るために「馬に何があったか知りたい」とグレースに問いますが、「その気になったときでいい」と、決して急がない。
じっと待ち、馬やグレースが自分から良い方向に進もうとするとき、そっと手を添える。
そういう癒し方。
病気や障害を負った方が、どうやってその事実を受け入れるかは、人それぞれ。
それには、よいタイミングを「待つ」環境が重要なんだと感じさせてくれる映画です。
大自然に触れさえすれば癒されるということではなくて、まわりの人間が、急かさず、じっくりと「待つ」ことができるかということなんだと思います。