先日、たまたま参議院本会議の本年度予算の採決の中継を観た。
与党も野党もなぜか足早に投票する中、れいわ新選組の山本太郎が牛歩していた。
そんな太郎に、チラッと一瞥して通り過ぎる者、全く視野に入れず通り過ぎる者、早く投票しろと手で促す者、さまざまなリアクションで興味深かった。
立憲民主党の蓮舫、辻元清美、石垣のりこ、そして今俄然注目されていい気になってる小西ひろゆきは太郎にガン無視で通り過ぎて早歩きで投票した。
一体なんでそんなに急ぐんだろう。
与党の自民公明が採決を急ぐ気持ちは分かる。
でも、反対票を投じる野党議員までも議事進行を急ぐ理由が私には全く分からない。
生乳が余ってるから乳牛を殺せば助成金を出すという。
それなのに生乳を外国から輸入するという。
どう考えても狂ってるとしか思えない政策。
しかも一頭殺す助成金がたったの15万円。
命を何だと思ってるのか。
日本の酪農家は今瀕死の状態だ。
GDP2%を目途に増額の軍事費、何に使うかこれから決めるがとにかく増額。
今年度予算も過去最高の6兆8千億!
物価は上がりっぱなし、国民の暮らしは疲弊し、人々の心は荒み、強盗や些細な事でのいがみ合いが増えてる。
それなのに減税もせず、インボイスなどというフリーランスや一人親方を虐める増税すらする始末。
野党議員は、反対票を投じたからしっかり仕事をやりきったとでも思ってるのか。
なんでもっと抗わない?
自分に係る切実なことだと思ったら、もっと必死になるだろう。
結局、こいつらは他人事なのだ。
明日クビを切られるかもしれない、
給料日まで食費どうしよう、
来年の自分のビジョンが見えない、
そんな多くの人々の切実な不安を自分のものとして考えられないから、あんなふうにスキップしながら投票できるのだ。
参議院のれいわ新選組の議員は5人。
その中の舩後靖彦、木村英子、天畠大輔の3人は障害のある人だ。
政治のプロなんかより当事者こそ国会へ、という山本太郎の考えのもと、れいわ新選組で真っ先に国会議員になったのが舩後さん木村さんだった。
牛歩は山本太郎だけではなかった。
参議院のれいわ新選組5人全員牛歩した。
クソなリベラルがこの牛歩を「障害者まで牛歩させるなよーかわいそうだろー」とほざいてたが、こいつは自らの内在する差別を図らずも露呈している。
障害者は自分の意見を持ってない、自己決定権を持ってないと言っているのだ。
リベラルの多くはこの程度の認識なんだろう。
最後まで牛歩したのは、山本太郎ではなく木村英子議員だった。
太郎がどうぞと先を促しても一歩も進まなかった
けっこう頑固
木村さんは幼少の時の脊椎損傷で施設に入りずっと部屋の天井だけを見る人生だったという。
牛歩の動機を語る木村さん。
多くの障害者や高齢者の抱えるヘルパーの人手不足は生活と命に直結するほど深刻な状況にあります。私自身も介護者不足でいつ登院できなくなるか不安を抱えています。予算委員会でもその窮状を訴えてきました。このまま予算案を通すわけにはいかない。牛歩を選ばざるを得ませんでした。 https://t.co/UxXkU9H266
— 木村英子 (@eikokimura) March 28, 2023
そして、木村議員の断固とした牛歩と必死の訴え、山本太郎の叫び。
時間がなくて作れなかった牛歩シーンの完成版です。 pic.twitter.com/wiYzJYywoy
— なるみ🐾山本太郎を伝える動画 (@nh3aibrS1cwuaks) March 29, 2023
牛歩なんて、楽しくともなんともない。
逆に与党からも野党からもヤジや罵声を浴びせられ、かなり精神を削られると、山本太郎は言う。
参議院の牛歩は障害のある議員もいたため、下手なヤジは飛ばせないと思ったかしらんが比較的静かな議場だったが、ひと月前の衆議院本会議での予算案採決でのれいわ新選組大石あきこ、くしぶち万里の2人だけの牛歩の時は、それはもう酷い罵声を終始浴びせられた。
つうか、そもそもなんで壺まみれの細田が議長のまま偉そうに「投票箱の閉鎖を命じます」とかほざけるのか。
そもそもなぜおまえがまだいるのか。
与党と野党の馴れ合いの結果で細田免罪を裏で取り決めたからである。
統一協会に野党もぜんぜん切り込めてない証だ。
リベラル知識人もこれにはダンマリ。
だからリベラルは不誠実だしクソなのだ。
紀藤弁護士も鈴木エイトも立憲民主党に忖度してるかしらんが、あまりこのことに触れない。
話を戻すと、このように罵声を浴びる牛歩なんてだれが好き好んでやりたいか。
目立ちたいだけだのパフォーマンスだの言われるが、とてつもなく精神を削られる代償にしてはあまりにも安易な勘ぐりすぎる。
私たち名もなき庶民の声を背負ってるからこそ、抗うのである。
木村議員が必死に叫んだ言葉「お願いします!質疑を続けさせてください!」
これを聞いた議場の野党議員は何を思っただろうか?
なんの感想もないか?
あるいは、
鬱陶しいなあ、さっさと終わらないかなあ、か?
もしこんな感想しか持てないなら、
おまえらは議員の資格はない。
国民の代表を名乗る資格はない。
クチでどんなに良いこと言っても絶対に信用しない。
明日をも知れぬ国民より議員バッジを守りたいだけなら一生おまえらには投票しない。
どんなに悪政をしてもなぜ自民公明が大勝するか分かりますか?
おまえら野党が本気で闘わないからだよ。
国民の痛みを自分の痛みとして本気で抗わないからだよ。
野党という職業で安穏とメシを食ってる限り、おまえらの言う政権交代なぞ永久に来ない。