正式な装束であるは縫腋袍と闕腋袍に分かれます。腋が縫われているかどうかですが、闕腋袍は武官に限られます。色には位の規定があり一位が濃紫、二三位が薄紫、四位が濃緋、五位が薄緋、六位が濃緑。昇進の遅延を嘆く歌に緑が謳われるのはこのためです。のちに四位までは黒、あとは蘇芳、緑となる。

縫腋の袍

縫腋の袍 Houeki_no_Hou

 

闕腋の袍

闕腋の袍 Ketsueki_no_Hou

 

 

 

御うちき〉は天皇の身近に奉仕して髪を整え服を召すのを手伝って、蔵人の務めです。蔵人は薬子の変の折に設けられた令外の官で、天皇の内密な機関のため六位でも昇殿を聴されます。〈御うちき〉は天皇の理髪に侍臣するときの装束の名でもあって、薄紫の袍。本来なら二三位相当の色が聴されています。

 

 

禁色は文字通り使用を禁じられた色。その反対を聴色[ゆるしいろ]と言います。例えばこんな具合、紅花一斤で絹一匹を染めるのを基準とします。それより濃いものが禁色であり、それより薄いものであれば聴色になるわけです。袍のように位で色が定められている場合は禁色にあらずとは石村貞吉の見解。

冠位十二階

 

 

 

 

は袴の上から腰回りに巻くもので後ろに長く引きます。奈良時代の<裙[くんも]>が変化したとされ、腰に当てる部分を大腰、裾に広がる部分を引腰、腰に巻きつける部分を小腰と言います。女性の礼装で唐衣に合わせたものですが、身分の高いひとの許に出るときは唐衣でなくとも着すべきとされます。

 

裳

 

 

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