拭い

$テノウチ、ムネノウチ 待ち伏せ編


地艶の砥石目をならし、刀身の地部に黒味を加えていくため、
酸化鉄の粉末を油にといた液で刀身を研磨していきます。
この工程を拭いと呼んでいます。
地砥および地艶がしっかり効いていれば、細かい地肌を伏せることもなく、
乾いた土に水が沁み込むように、刀身にすっと青黒味が差していきます。
拭い任せで黒味を与えようとすれば、地肌がバサけたり、
テラテラ、ギラギラと品なく黒光りする仕上がりになってしまいます。


$テノウチ、ムネノウチ 待ち伏せ編

以上 小川和比古師