刃艶

$テノウチ、ムネノウチ 待ち伏せ編

ここからは仕上げ研ぎの工程に入ります。
下地研ぎでは、独特の構えで体全体を使って台の上に置いた砥石で刀を研ぎましたが、
仕上げ研ぎでは、細かい砥石や道具を使って指先で研磨したりして、文字通り仕上げていきます。
まずは地砥で暗くなった刃部を白くするとともに、
内曇り砥の砥石目をより細かくならしていくために、
内曇砥を薄くすって、和紙と漆で裏打ちした刃艶というものを指で押さえて研磨します。
写真で刀身上に乗っているものが刃艶です。(茶色いほうがは裏打ちした面)





地艶

刃艶が終わると地艶と呼ばれる工程です。
鳴滝砥という内曇砥よりさらに粒度の細かい砥石を
ごく薄く細かくして指の腹で押えて研ぎます。
この工程で地砥で引き出した地鉄を整え深みを与えていきます。
この工程の難しさは、
・地艶の質(硬さ・粒度)
・厚み
・砕く細かさ
・指で押さえる力加減
・水加減
など、とにかくたくさんの要素をすべてその刀に合うように選択しないと、
きれいに仕上がらないというところです。
内曇地砥と共に非常に奥深い工程です。


$テノウチ、ムネノウチ 待ち伏せ編


$テノウチ、ムネノウチ 待ち伏せ編

以上 小川和比古師


内曇砥で引き出した地鉄に潤いと深みが加わったようで
なかなか仕上がりが楽しみになってきました。

晶平