名倉砥から細名倉砥へ

名倉砥の前に、樋の中をさらって砥石目を細かくし、
仕上げで磨きをかけられる状態にしておきます。
名倉砥の工程からは刀身に沿って縦に研ぎ、
前の砥石の目を取り、砥石目を細かくしていきます。

$テノウチ、ムネノウチ 待ち伏せ編



改正砥と名倉砥は砥石目の角度が違うのでわかりやすいですが、
コマ名倉は名倉と同じ縦の砥石目なので、
砥石がきちんと効いているか注意を要します。
また、硬い刃部は前の砥石目も浅く取りやすく、
やわらかい地部は前の砥石目が取りにくいのですが、
刃肉をつけないように刃部も入念に研がないとなりません。
今回は人造の砥石を用いており、砥粒が均一のため、
きちんとコマ名倉を効かすと刀身はほぼ鏡面になります。

                以上、研師・小川和比古氏談

$テノウチ、ムネノウチ 待ち伏せ編

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本当に鏡面です。


天然砥石の不足は深刻で、
最近では細名倉くらいまでは良い人造砥も
開発されてきたようなので、
途中工程で人造砥を使うことはまったく問題無いと言えます。


ただ、人造砥ではこの段階で地、刃が見えませんね。
砥石というのは、粒度の細かさだけの問題では
なさそうです。