日本民藝館(東京、駒場東大前) で開催中(〜2023.4.2)の
柚木沙弥郎展 に行ってきましたよ。
絵本の原画展ではないので、
京都展であったような絵画はないんですけども、
染め物などはたくさんありました。
京都とはちがって、撮影不可、ガラスケースの向こうの作品が多いですが、
民芸館での展示ということもあり、
その建物のもつ雰囲気、
柳宗悦さんが生活したその場の空気といっしょに楽しめる、
というところがオススメポイントかな、
と思いましたよ。
そして、昨日のブログでも書いた、
大竹さんはね、楽しんでアートしてるわけじゃないっていうのね。
で、やりすぎると完成から行き過ぎちゃう、
でも、それって、やり始めてすぐに完成になってることもあって、
その見極めるポイントみたいなものを探っていくんだ、
2ヶ月とか3ヶ月とか作業を止めてみるってこともある、
なんて話もされてたのね。
でも、こちらの100歳の柚木先生の作品はさ、
アートとも言えるとうきょうは思うんだけど、
生活の中で活かそうと思ったら、
ふつうに使えちゃう、
使いにくい? と思ったとしても、
それを使うことで気分が
ちょっとワクワクする感じにつながるような作品なのよね。
もちろん、そこにあるだけで、十分ワクワクするんだけどね。
でね、柚木先生は、
とにかく手を止めないっていうのよ。
父親も職人で、
それが隣のおじさんでも、
買付の人であっても、
だれがきてどんな内容の話でも、
手を止めずに話もして、お茶も飲んで、
作業続けてたっていうのね。
だからね、素敵な帽子なんか被ったりしてね、
気持ちを楽しくしてね、
楽しんで手を動かすんだよ、っておっしゃってるのね。
どっちもすごいんだけどね。
うきょうはさ、絵本ってものを通して
お二人の先生に会ってるのね。
絵本ってね、生活に必要ないっていえば、必要ないのよ。
そりゃ、文字や言語の学習のために、
とかいろいろあるかもしれないけど、
そういうね、教育のため、とか、
その絵本の情報を得ることで、
生活の利便性がより高くなるとか、
合理的に過ごせるとか、そういうことじゃないのね。
ただ、読む、眺めることが、
あるときに、
もしかするとだれかとの共感につながるかもしれない。
文化としてのなにかを受け取って、
次のだれかに手渡せるものになっていくものかもしれない。
個人の直接的なメリットはこれです、
って言いにくい、そういうものをやんわりと伝えているのよねえ、
とうきょうは思っているのね。
お二人はそれぞれ違ったことをお話されているんだけど、
うきょうに届いているものって、
共通してそういうメリットはこれ! じゃないものを
確実に伝えてくれていると思っていて、
やっぱり、見てきてよかった、と思ってますよ。
そういうものを見てきて、
印刷された、複製された絵本たちそれぞれ1冊が、
その人の本物の1冊になっていく感じ、
がよりうきょうの中で立体的になっていく感覚。
忘れちゃうともったいないから、
長々と書き留めておきます。