2023年12月30日(土)ー31日(日)

 

以前母と河津桜を見に行った今井浜へ一泊旅行。前回訪問は2018年。河津桜を見て、今井浜東急ホテルでランチをして、パンケーキなどもいただいたのが前回。ホテル前のビーチを散策したのも良い思い出だ。その頃は私は車を持っていなかったから、道中踊り子号で車窓から広がる海を眺めたのだった。

 

今回は往復車でのドライブ旅。前回訪れた今井浜東急ホテルがあまりに素敵だったので、オーシャンビューのお部屋を楽しみたく、今回は宿泊してみたかったのだ。朝早くに猫たちをペットホテルに預けて、老人ホームへ母を迎えに行った。年明けからすぐ開業予定だったので、準備の最中の旅行。事務所の工事が終わったのも出発の直前のことだ。そしてなんと今回は、妹も参加する予定だった。しかし、当日朝早く妹から連絡。熱が出て行けないという。残念。仕方がないね。またみんなで食事しましょう。

 

老人ホームでピックアップした母はご機嫌だ。言葉も本当にしっかりしている。若い頃バスガイドをしていた母は、伊豆・箱根方面への道路に詳しい。ところどころ母の解説が入る道中。湯河原から真鶴道路や熱海ビーチラインを経由、海沿いの美しい風景をドライブ。お天気が良くてよかった。国道135号を伊豆山、熱海とひたすら南下。熱海のソテツが並ぶ道は南国ムードたっぷりだ。そのまま下っていくと、伊東に入りホテル「ハトヤ」が見えてくる。一際目を引く大きな建物に、「あー、昔コマーシャルに出てきたハトヤだ!」と喜ぶ母。初島や利島など、時折見えてくる伊豆七島を母が解説してくれる。初島のエクシブに二人で泊まった時の思い出話しを。とにかく豪華なお部屋と施設、そして美味しいお料理の思い出など。城ヶ崎のあたりを通る時には苦い思い出を。母と妹と3人で城ヶ崎を訪れた時には、ケンカになってしまったことなどを話しながら。当時はまだ妹も中学生くらいかな。もう30年以上前のことだとは!

 

道中渋滞があったりしてホテルに着いたのは16時くらい。すっかりお昼を食べ損ねてしまった私たちはホテルの売店でちょっとした食べものをピックアップして、ラウンジでノンアルコールカクテルをオーダー。海を見ながらの美味しいカクテルで少しゆっくりした。お部屋に入ると、窓の外に海が広がる。一名一室ずつとったので、母を部屋に送り届けて自分の部屋に向かい、荷物を置いたりして少しホッとした。よかった、ここに母を連れてくることができて。

 

母とプライベートビーチを散策。母が寒いというので、早々に切り上げる。2018年に来た時には元気いっぱいで波打際まで積極的に出ていって、落ちていた木を拾ったり流れてきていた昆布などを見たりしていた母だったけど、今回は砂浜に少し出ただけ。長時間のドライブでちょっと疲れたかな。

 

ホテルのフレンチレストランで夕食。地元の食材を使った美味しいお料理に母も喜んで食べてくれた。海の見えるレストラン。外はすっかり暗くなっていて、ガーデンの松明の炎が雰囲気を盛り上げている。広々とした南国調のレストランのインテリアもなかなかだ。

 

食後は母を部屋に送り届けて、寂しがる母のために少し二人でゆっくりお部屋でお話した。翌日は帰りにみかんを買いたいとか、そんな他愛のない話しをする。前回2018年に河津桜を見に来た時には、道すがらたくさん店が出ていて、みかんジュースをその場で作ってくれるというのがあり、みかん大好きな母はジュースを買って飲んでいたことを思い出す。母がシャワーを浴びるというので、ユニットバスの使い方やシャワーの出し方を確認して、私はホテル内の散策へ。ライブラリも前回来た時のままで、相変わらず素敵なホテルだ。

 

夜が更けていく。気になるのはやはり独立開業のこと。自分は本当にやっていけるのかとか、色々考える。ホテルにはジムがないので、部屋で軽く運動したりしながらも、事務所のウェブサイトの準備をしたり。結局寝たのは日付が変わってから。

 

翌朝6時頃。母が部屋の外から声をかけてくる。どうしたのかと思ってドアを開けると、朝日が綺麗だという。私も起きていたけど、ベッドの中で開業の不安など縷々考えていて、窓の外を見ようとも思わなかったのだ。急いでカーテンを開けると、海岸の松と朝日の風景。なんて素敵な朝だろう。母とこんな朝を迎えられてよかった。母が小さなノートを見せてくる。ホテルのカードキーが入っていた紙に描かれていた伊豆七島や熱海から今井浜への道など伊豆半島の地図をトレースしたものだった。よく描けてるね。放射線治療が効いたのか、文字や絵まで書けるようになって、本当にしっかりしている。本当によかった。

 

夕食をとったのと同じレストランで朝食。母は遠慮がちにビュッフェの味噌汁などを取ってきて食べている。私がとってきてあげた洋食はお好みではないようで残していた。朝食後は海が見えるホテルのガーデンを散策。朝日の降り注ぐプールなどを見ながら、くつろぐことができた。お部屋に戻って、オーシャンビューのベランダで椅子に座って二人でゆっくりお話しした。日差しは強く、コートなしでも暖かい。しかし母、せっかく素晴らしい眺めを見ながら、帰りたいを連発。道が混むのを不安に思っていたみたい。

 

10時半頃までラウンジでお茶やコーヒーをして、チェックアウト。車で東京に向かう。道中、みかんの販売所に立ち寄ると大喜びでみかん2袋を購入する母。先ほどの不安なテンションはどこへやら。戦利品を手に得意げな母。

 

途中、SAに立ち寄ってランチを。かき揚げそばに母のテンションが上がる。母はこういう素朴なお蕎麦が大好きなのだ。よかったねえ。色々とお菓子を購入。「こういうのも楽しいねえ」と母。

 

事故渋滞など突発事象もあって道は混んだけど、なんとか無事東京へ。老人ホームに母を送り届けて終了。

 

色々あったけど、二人で思い出の地を訪れることができて、そしてさらに新たな思い出を追加することができて、本当によかった。