「ミリンダ王」中村 勝三
小説仏教シリーズ12
「ミリンダ王」
中村 勝三
小説仏教シリーズ第2弾 2
ハードカバー
第三文明者
定価780円
246ページ
昭和50年2月28日 初版発行
2015年 平成27年 3月27日 読了
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【目次】
第一部
ヒンドウクシュの空
先駆者の道
ギリシャの精神
ミリンダ王の遠征(一)
ミリンダ王の遠征(二)
老将パルダの死
第二部
東西の智慧の対決(一)
東西の智慧の対決(二)
東西の智慧の対決(三)
悠遠なるものへ
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インドに発した仏教思潮はシルクロードを通って中国に伝えられ、日本にまで流れ着いた。このシリーズはインド・中国・日本で仏教流布に活躍した名僧・高僧等の苦悶と求道の生涯を人間のドラマとして描いたものである。
文明の破局的様相の現代に新たな人間の生き方を示すものといえよう。
(シリーズの特色)
紀元前二世紀の西北インドを支配したミリンダは、ギリシャ世界から来た哲人でらった。彼は仏教に強い関心を示し、ナーガゼーナ比丘との間に、鋭い哲学問答を交わす。
(出版社の案内より)
西暦前二世紀のインドを支配したギチシャの哲人ミリンダ王と東洋の英知を代表するナーガセーナとの白熱の対論を描く
(帯より)
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ミリンダ王とナーガセーナ長老との問答「ミリンダ王の問い」を焦点に描かれた伝記です。
問答が中心なので、ミリンダ王の生い立ちや、問答にいたるまでのストーリーは、どうしても概略になってしまっている。
ゆえに多くが説明文なので会話の描写がなく、小説として読むと面白くない。
以下、ポイントメモです。
●ミリンダ王と僧の対話(P99)
●心の帝王となることこそ、真の英雄(P120)
●王者の論ではなく賢者の論での対論を求めるナーガセーナ(P167)
●問答を通して真理に近づきつつある喜び(P222)