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「朝が来ない子どもたち」井上 敏明
 
「朝が来ない子どもたち」
わが子をニートにさせないために
井上 敏明
第三文明社
定価1200円
174ページ
2006年7月28日 初版発行
 
2014年 平成26年 9月18日 読了
 
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【目次】
 
はじめに
 
<第一章バイオ(生体)リズムの崩壊>
朝が来ない子どもたち
朝に寝る子が増えている
広がるバイオリズム崩壊症候群
夜が消える――光を嫌うメラトイン
天体のリズムから逸脱する人間族
バーチャル症候群
頭の働きが異様になる危ない若者の症候群
 
<第二章心と身体の分離シンドローム>
中枢疲労症候群
アレルギー拡大症候群
生体言語のコミュニケーション症候群
アレキシサイミア症候群
変身激化症候群
 
<第三章関係のゆがみと身体の病気>
少子化がもたらす過度摂食症候群
人づきあいの不得手な発達障害
対人関係逸脱症候群
多発する奇異な青少年犯罪
若者に忍び寄る抑うつ症候群
 
<第四章適応障害からの脱却・回復・解放>
働くことへの光と影
癒すための対人関係
関係改善の癒しのルーツ
ありのままの自分と向き合う「絆づくり」
壊れたバイオリズムを回復させる六カ条
 
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子どもの夜型化が進むとやがて大変なことになる。引きこもり、うつ、ニート問題など、親はどう対応すればよいのか、カウンセリングの第一人者がわかりやすく語る。 
(「BOOK」データベースより)
 
夜半にコンビニでたむろする若者たち。子どもの夜型化が進むと、やがて大変なことになる。引きこもり、うつ、ニート問題など、親はどう対処すればよいのか、カウンセリングの第一人者がわかりやすく語る。
(「MARC」データベースより)
 
アスペルガー研究の第一人者・井上敏明氏(芦屋大学特任教授・六甲カウンセリング研究所所長)による待望の一書。引きこもり、うつ、ニート問題など、親はどう対応すればよいか、わかりやすく語っています。
(第三文明社の紹介文)
 
相談に訪れるバイオリズムが崩れてしまった小中校生たち、大学の授業に見られる朝に弱い学生たち、夜半にコンビニでたむろする若者たち(中略)このような姿を目の当たりにすると、子どもというよりは、人間の生体それ自体のリズムが崩れてきていると受け取らざるをえません。
(はじめにより引用)
 
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引きこもり、うつ、ニート問題など、それは、子どもの夜型化が進むことによって引き起こされているとして、ニート予備軍というべき人への対処法を、紹介されています。
 
基本的には、自然のリズムと合致した生活をし、子どもの性格や人間性を、わかってあげることが大事だとされています。
 
以下、ポイントメモです。
 
●本書では、「ニート」を真正面から取り上げるというよりも、むしろ「ニート予備軍」というべき、ニートへの道を歩みかねない青少年の背景にあるさまざまな症候群や、それらを生み出す社会的現実に光を当てています(P6)
 
●朝、太陽の光とともに起き、夜は、夕暮れとともに寝る。そうすれば、子どもの不登校は治る(P52)
 
●アレルギーは、生体を異常から守るために起こる(P71)
 
●心理的な要因が前提になるような身体の病気の大半は、ほとんど全部が、「関係病」にほかならない(P95)
 
●「何度も言ったけれどもだめでした」とは誰もが言いますが、「何度も言ったっけれども、その言い方が悪かった」とは、誰も思いません(P124)
 
●人間とは、対人関係のうえでの癒しの関係があってこそ、お互いに生きていける存在である(P145)
 
●カウンセリングは、一にも二にも、まずは受容です。条件は抜きです。存在そのもの、その人自身を「イエス」と言って受け入れるところに、いわば心理療法の重要な原則があります(P150)