第139回公演『評決』境界 | こじにずむ日記

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千葉大学演劇部 劇団個人主義のブログです
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去年の11月の写真を見たらもうカーディガンを着ていました、今年はまだ一度も袖を通していません。 

冬布団を出すタイミングを完全に逃しました。 

お久しぶりです、あるいははじめまして。 

千鳥みゆきです。 

急に気温が下がってきましたね。 

地元ではカニ漁が始まりました、冬の到来を感じます。 

日が暮れるのが早くなってきて、あっという間に日が落ちてしまうのを見ていると、もう少し、秋を楽しみたかったなぁ、という気持ちになります。 

皆さんはどんな秋を過ごされましたか? 

 

 

今回の公演のことについて触れる前に、少し、感謝を述べたいと思います。 

先日、大学祭がありました。 

劇団個人主義は劇団NONNYさんと合同公演「短編演劇フェスティバル」を開催しました。 

観に来てくださった皆様、本当にありがとうございました。 

今回、私は演出と役者をやらせていただきました。 

演劇歴8年目にして、初の演出。 

演出としてはあまりにも頼りなかったでしょう、自分の働きが不十分だなと落ち込む日もたくさんありました。 

それでも、なんとか作品を完成させることができました。 

私の座組に参加してくださった皆さんに心からの感謝をお伝えしたいです。 

役者の皆さん、本番の演技はどちらも最高でした。 

皆さんと過ごす時間が本当に楽しかったです。 

本当にありがとうございました。 

照明オペ、私のぼんやりした指示に的確に答えてくれてありがとう。 

音響オペ、私の意図を完璧に汲み取ってくれてありがとう、あなたの探してくれたMは全部最高でした。 

照明担当さん、〆切ギリギリまでLINE返せなくてすみませんでした、臨機応変に動いてくれて助かりました。 

そして、本番も後列からたくさん笑ってくれた劇団個人主義、劇団NONNYの皆さん、とても心強かったです。 

ありがとうございました。 

皆さんへの感謝の思いを、どこかで言葉にしたいとずっと思っていたので、ここでお伝えしました。 

皆さんに、届いていたら幸いです。 

届いてなくてもいい、私が文字にして遺しておきたかっただけなので。 

そして、役者で出た劇についても。 

まずは共演者に。 あなたがいてくれてよかった。 

あなたが私のキョウダイでよかった。 

本番直前くらいから、あなたのことを本当にキョウダイのように感じていました。 

なんでも話せて、なんでも笑い合える。 

ふたりでひとつ、劇の中ではその言葉の意味を問いながら、私は、あなたと一つになっていくような、そんな感覚を味わっていました。 

本番中、感情が入ってセリフが走りそうになった時も、あなたの声を聞いて、あなたの言葉を聞いて、落ち着くことができた。 

観客に届ける、そのことを思い出させてくれた。 

夏公演のときから、あなたに支えられっぱなしだ、本当に。 

あなたにならなんでも話せる、あなたも分かっているから。 

私とあなたは、似ていることを。 

あなたに頼りっぱなしじゃいけないけど、ちょっと辛くなったらまた話聞いてください。 

私もたくさん聞くよ。 

そして、演出。 

私はあなたの演出が大好きです。 

あなたの演劇への向き合い方も、役への向き合い方も、衣装やヘアメイクのセンスも、何もかもが好きで、憧れで。 

1年の頃からずっと好き。 

そんなあなたと約1ヶ月、みっちり稽古で向き合って、私は少しだけ、自分の殻を破れた気がしました。 

あなたが、私なんかにも真正面から向き合ってくれるから。 

私の癖にも、私が苦手とすることにも、まっすぐ向き合ってくれた、そしてこんな私にも期待をしてくれた。 

演出の期待を裏切らないように、演出が求める劇になるように、1ヶ月、必死で食らいついたつもりです。 

久しぶりに、演劇って楽しいな!!って思いました。 

演じること、とりわけ誰か1人の人生を演じることの楽しさを改めて感じることができました。 

公演終わってから、たくさん感想を伝えてくれてありがとう、本当に授業中に読んで泣きそうになりました。 

あなたのことが大好きです。 

また演出やる時には私も役者やるし、今度の舞台こそあなたと台詞を交わします!! 

これは言霊、嘘にしないために言葉にする。 

 

と、ここまで長くなってしまいましたが、大学祭の振り返り。 

来年参加するのかな、参加するにしても役者ではないかもしれない。 

今年の感想は今年のうちに、ということでここに書き記しておきました。 

あ!そうそう。 

「白黒つかない、つかなくてもいい」以外の作品は全部観劇しました。(白黒の皆さんごめんなさい…) 

みんな最高でした。 

一番とか決められないからこんな陳腐な言葉を使ってしまうけど、皆さん本当に輝いてました。 

私も皆さんの演技を見て刺激を受けました。 

2日目の本番なんてね、もろに刺激受けた結果ですから。 

私も頑張ろう、って何度も思いました。 

企画公演のときとは違ったな。 

あの時はみんなの演技を見て自分の心がどんどん傷ついていく感覚があったんだけど、今回は、私もみんなみたいにいい演技するぞ、という気持ちでした。 

いい刺激を受けました、本当にありがとうございました。 

まだ大学祭の話するんか。 

もうこれ以上はしない、さすがに今回のことも書かなきゃね。 

 

 

 

ここからは、少しだけ自分語り。 

私の特性についてお話ししてみようと思います。 

感受性が豊か、って言葉があります。 

感受性、外界の刺激を印象として心に感じ取る能力のこと、らしい。 

感受性が豊かな人はたくさんいると思います。 

みなさん自身もそうかもしれないし、みなさんの周りにもいらっしゃるかもしれないですね。 

私もその1人です。 

私の感受性はたぶん皆さんが思っている倍くらい強いです。 

しかも、私の感受性は年々強くなっています。 

ここ数年で、異常なほど強くなってきている。 

楽しい感情を受け取ると楽しくなるし、悲しい感情を受け取ると悲しくなって一緒に泣きます。 

今思い出すと、私の感受性は幼い頃からまぁまぁ強くて、よく親友が同級生に悪戯されて怒っているのを見たり聞いたりして、その同級生に対してカチコミに行ってました。 

今思うと、やばいやつですね。 

幼い頃の私は間違った正義感を振りかざすタイプでした。 

ちなみにその話を同期にしたら「想像できるわ」と言われた、なんか悔しい。 

感受性が強いというのは、良いように働くこともあるし、悪いように働くこともある。 

悪いように働くのは、先ほど挙げた例がわかりやすい、のかな。 

良いように働く例は…、私はあまり思い浮かばない。 

もちろん、これは特性、というか生まれ持ったものであって、直せと言われて直せるものでもなくて。 

だからこそ、上手く付き合っていかなきゃいけないものなんだろうな、というのは漠然と分かってきた。 

いつからこうなってしまったんだろうな、と感じることはある。 

でも結論は出たことはない。 

顕著に出てくるようになったきっかけは分かっている。 

つい数ヶ月前のことだから。 

感受性が豊かであっても、全ての感情を常に受け取り続けているわけではなくて。 上手く交わすことができる時もある。 

相手の感情に立ち向かう余裕がある時もある。 

でも、疲れていたり、余裕がなかったり、ストレスが溜まっていたり(そしてそのことに気づいていなかったり)する時、私の心は全てを感じ取ってしまう。 

相手の強い感情を、特に。 

今の私の1番の課題は、その強い感情を避ける術を持っていないこと。 

他人の感情なんて私には操れないし、かと言って自分の心を守るために人と関わることを避けるなんてこともできないし。 

自分の心を守る術がない私にとって、人と接することが少しだけ怖くなった。 

少しだけ、特定の人物に恐怖心を抱くことが増えた。 

私はそんなことしたくないのに、私の心が勝手に避けてしまう時があって。 

でもふとした時にその人の優しさに触れる瞬間があって。 

というよりも、自分が怖いなって思ってしまっている時に、人の優しさというものを、いつも以上に感じやすくなるんですよね。 

そんな時に、なんでこの人はこんな私にまで優しくしてくれるんだ、私はこんなにひどい人間なのに、と思ってしまう。 

苦しい、です。 

どうしたらいいのか、私にも正解が見えなくて、苦しい。 

 

なんでこんな話をしたのか。 

今回の劇には1ミリも関わってないように思えるかもしれないですね。 

この劇を見た後なら、少し分かっていただけるのかもしれない。 

今回の劇は、私の心をずっとぐちゃぐちゃにしてきます。 

初めて読んだ時からそうでした。 

大好きだ〜、好きなテイストだ〜、これがやりたい!!と思ったのと同時に、この劇をやったら私の心はいつか爆発しそうだな、と。 

初回の稽古に、少しだけ不安な気持ちを持って参加しました。 

耐えられませんでした。 

稽古終わり、同期(私の感受性の強さを分かってくれている子です)に泣きついてしまいました。 

他の同期には見られたくなくて、みんなが私に背を向けた瞬間に泣きました。 

その姿をちょっとだけ見ていた別の同期から、極秘情報のやりとりをしていると思われた、あながち間違いではなかったかも。 

最初の頃は本当に自分の心のコントロールが上手くいかなくて、稽古の帰り道に毎回泣いてたんですけど、稽古を重ねていくにつれて少しだけ、大丈夫になってきた、気がしている。 

そう思ってた、思い込もうとしていた。 

でもやっぱり何回稽古に行っても、変わらなかった。 

むしろ、稽古を重ねるにつれて、他の役者の皆さんの演技がどんどん良くなってくるもんだから、私の感受性が耐えられるわけがなくて。 

私のセリフが直前に迫っている時に、頭が真っ白になりました。 

怖い、どうしよう。 

手をギュッと握って、深呼吸をして。 

泣きそうなのをグッと堪えて、何事もなかったかのようにセリフを言った、つもり。 

演出からの返しを少しだけ聞いて、耐えきれなくなって、稽古場を出て廊下で泣きました。 

バレたくなくて、稽古場からわざわざ遠いお手洗いに行って、泣いていました。 

どうしようもない、でもどうにかしなきゃいけない。 

そんな焦りと、自分の役を掴みきれないことへの不安感とが渦巻いているのが今。 

そんな時に風邪をひいて稽古まで休んで。 

今自分がどうするべきなのか分からなくて、正直苦しいです。 

演劇なんて始めなきゃ、こんなこと思わなくて済んだのかもしれないし、こんな苦しい思いをしなくても良かったのかもしれません。 

でも、私は。 

演劇が好きです。 

こんなに苦しい思いをしていても、演劇が好きだし、舞台に立つことが好き。 

そして、劇団個人主義が、先輩が、後輩が、同期が、好き。 

その気持ちは本当で、偽りたくない。 

だから、自分の好きなものを続けるために、今は少し苦しんで、もがく時期なのかもしれません。 

1人じゃないよ、と伝えてくれる愛しいキョウダイもいて、どんなに不安で泣きたくなる時でも一緒にいたら楽しくなれちゃう同期がいる。 

だから、大丈夫、なのかも。 

大丈夫だと、信じてみることが大事なのかも。 

そう思っています。 

まだ解決策は見つかっていない。 

ゆっくり自分の心と向き合って、探していくのがいいのかもね。 

何度も書き直して、何度も考え直した結果、私が出した一旦の結論です。 

今が良ければそれで良い。 

逃げに見えるかもしれないけど、私はそう思っているから。 

今を大切にしなきゃ、未来なんて見えないもんね。 

 

今年も残り1ヶ月と少し。 

昨年の冬公演「日本語私辞典」のことが懐かしく思い出されます。 

あの時の私より、少しでも成長できたらいいな。 

そして、今年は夏公演、大学祭、冬公演と3公演に役者として出させていただき、春公演と企画公演にはスタッフとして携わりました。 

また個人的には20歳を迎えたり、イギリス留学を経験したり、劇団個人主義の部長になったりと、2023年はかなり充実したものになったんじゃないかと思います。 

たくさんの経験をした分、たくさん苦しむこともありましたが、どれも私の成長のために必要なものなんだろうと。 

2024年も、私は私らしく、大好きな先輩や後輩、そして最愛の同期たちと、演劇人生を楽しんでいきたいです。 

劇団個人主義第139回公演『評決』が、皆さんの心に残る劇となりますように。 

長々と失礼いたしました。 

当日皆様にお会いできることを楽しみにしております。 

以上、千鳥みゆきでした。

 

 

以下、公演情報です。 

劇団個人主義第139回公演 

『評決』 

会場:千葉市南部青少年センター 

日時:12月3日(日) 

   開場 10:30 

   開演 11:00 

 

※本公演は当日観劇のみとなります。ご来場には予約が必要です。 

▼来場予約フォームはこちら

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