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しばらく前のアメリカ映画で、動物の話す言葉がわかる獣医師を主人公にしたドラマがありました。
この中で獣医師は、最初はいろいろな動物達から話しかけられるのをうとましく感じていましたが、彼らの窮状をわかってあげられるのは自分だけだと気づき、動物達を苦しめる病気を彼らとコミュニケーションをとりながら治していく、というストーリーです。

私たち人間同士は、共通の言葉を使えばお互いに話すことはわかりますし、相手の思うことを理解できます。
初めて会った人でも、会話を続けるうちに意気投合し、その日のうちに友達のような関係になれる場合もあります。
それもこれも、人と人とが分かり合えるコミュニケーションがあるからです。
そして、言葉はコミュニケーションを成立させるのに不可欠なものです。

それほど重要なものなのに、ともすると自分から使わないように仕向けているようなことはありませんか?
「話さなくてもわかってくれるはず」
「承知していると思った」
「伝えたつもりだったが…」

そんな言いわけでお互いの関係が気まずくなる前に、まず言葉で自分の意思を伝え、確認することが大切ではないでしょうか。
特に、年輩の方はだまっているだけで、年下の人は威圧感を感じるものですから。
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7月23日付の日経新聞夕刊にこんな広告が掲載されていました。
大日本印刷株式会社が出した広告で、「これから先の出版のカタチを読む…」という出だしで始まるように、
今後の出版と印刷会社の関係性について語っています。

みなさんもご承知のように、出版業界は新しい変革の波にさらされている現状があります。
iPadを代表とした電子出版の流れは今後ますます加速していくものと思われます。

しかしこの広告では、デジタル書籍の可能性に触れつつ、なおアナログ書籍である本の将来性についても、可能性を否定せず追求していこうという姿勢が感じられました。

『出版は、人類の「知」を伝え、社会をささえる大切な文化です。だからこそ、新たな価値を生み出していきたい。』
この一文にDNPの会社としてのメッセージが込められていると思いました。

同じ印刷会社で働いている同業者として、いろいろ考えさせられる広告でした。
運動会やマラソン大会などでゴール近くになった時、自分を応援する声を聞いて、
からだは疲れているのに気持ちが高揚して思わぬ力が出たということはありませんか?
人が人を応援する。声を嗄らして声援する。
その声には、言葉のもつ意味以上のパワーが秘められているような気がします。
それはスポーツの場面に限りません。

たとえば、仕事でミスをしてしまった時、
努力しているのに結果に結びつかない時、
人間関係でストレスを感じている時。
そんな時、身近にいる人から一言励まされたりすると
気持ちが切り替わり、明日から頑張ろうという気持ちになったりするものです。

そういう気持ちにさせてくれるのも、言葉のもつパワーなのでしょう。
私達は一人で生きているのではありません。
自分を支えてくれるたくさんの人がいて、
その人達のおかげで自分らしく生きられるのだと思います。

ふだんはそのことに気づかず、すべては自分の力だと過信しがちです。
しかし、自分が窮地に陥った時、
そうではなかったことに気づくのです。

もし、あなたの周りにいる人で、元気がないように見える人、
自信をなくしている人、落ち込んでいる人がいたら、一言声をかけてあげてください。
あなたの言葉、あなたの言い方で。