年始の釣行、海アメの聖地“島牧”を訪れた。
事前情報として、同テスターの小原氏から島牧海アメの最新情報を提供していただく。ここ数日前は結構良かったそうだが、私が予定する前日が北西の向風がかなり強く釣果も厳しかったとのこと。それでも通称赤灯から18番にかけての個体が非常にコンディション良く、ベイトになるカタクチイワシを鱈腹たいらげているようだ。

さて当日、風は南の出風で波は2m前後といったところ、まずまずのコンディションとなった。朝マズメは18番から叩くがプライムタイムにも関わらず無反応、30分で見切りをつけ赤灯に向けてランガンを決める。波の状況を観ながら地形を探り打ちしていると、沖100m前後のところでそこだけ波が非常に高く、サラシも追い打ちをかける場所にたどり着く、海アメがカタクチを追い込み捕食するならこの両脇だろうと思い、その右側の一等地に陣を取った。

海アメがミノーの射程圏内に回遊していると判断、選んだのはタイドミノースリム140フライヤー、おおなごカラー。トゥイッチ等のアクションはせずひたすらスローリトリーブ、ただ巻きで隙だらけの弱い小魚を演出することだけに心掛ける。散発ではあるがバイトがある。だがなかなか乗らない。釣り人に毎日叩かれているせいか、かなりナーバスになっているようだ。そして三時間ほど粘っているといきなりドスッとロッドに衝撃が走った。ようやくヒットだ。アワセを入れ臨戦態勢を取りロッドを煽るとグワングワンとトルクフルな重量感が伝わってきた。すぐに大物と判断、慎重にやり取りをしながら、波足長い寄波で一気に勝負を決める。デカい。70クラス。太さも申し分ない。その後すぐ潮止まりになり、魚の気配が無くなり一旦休憩。


さて、色々と情報を聞いていると本日はポツポツとサクラマスが開花しているようだ。しかもベイトがカタクチならば、午後の部のルアーは間違い無くこれになる、カブキメタル40。カラーは新色のブルーキャンディだ。
午後三時過ぎに朝と同じポイントに入る。波質は午前中とほとんど変化がなかったこともあって迷わずここを選んだ。
ルアーをカブキに変えたことは大きい。その一つが飛距離。射程圏が大幅に広がることで、より魚の回遊ライン、かつ捕食場を探れる。

もう一つはカブキメタルの特性だ。ベイトはカタクチと理解しているので中層から表層での勝負となる。ならば表層を引きやすく、スローリトリーブでもウォブリングが強く、イレギュラーが起こしやすいカブキメタルはここでは的策だろう。そして何よりもジャークなどの縦の動きにスレている状況では、横の動き。かつこのアクションはかなり魅力的だろう。そしてキャンディカラーのカラフルなポイントスポットはより目立ち、この夕マズメには強く働く。しかもフラッシング強いホログラムは文句なし。


そして夕マズメもかなり日が陰った時間帯、フルキャストしての即リトリーブ、その数巻き目でいきなりリーリングする手を強制的に止めた。ヒットだ。ドラグが鳴りなかなか巻けない。ヘッドシェイク幅も大きい。大物のアメマスだ。波に合わせながら慎重に引き寄せる。朝の大物よりも更に重量感がある。何度目かの寄せ波、それがピークになった波足長い波に魚を乗せ、一気にランディングする。太い。
狙い通り、そして読み通りの釣果、満足に値する価値ある一本となった。