現代文を読む中で、「接続詞」はとても大切だと思います。

ただでさえ言葉が難しくて何が書いてあるか分かりにくい文章の中でも

接続詞は基本的に意味が変わりません。

 

【順接の接続詞】

「だから」「そのため」「ゆえに」「したがって」など

順接の接続詞は前の部分が理由になって、後の部分につながります。

 

(例文)

壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。

「だから」、壁があるときはチャンスだと思っている。   (イチロー)

 

イチローさんの名言です。素敵な言葉で、やる気が出てきますね。

「だから」の前後の部分に注目してみてください。

だからの前の部分が理由、だからの後の部分が理由を受けてつながっています。

例えば、筆者が壁があるときはチャンスだと思っている理由を答えなさい。

という問題が出れば、

壁というのは、できる人にしかやってこない。

 超えられる可能性がある人にしかやってこないから

でバッチリですね。

 

そんな単純な問題は出てこないかもしれませんが、文章の要約を考える上では十分です。

順接の接続詞が出てきたら、その前の部分にはその理由(根拠)があって、その後ろの部分には

それに関連した結果や主張が書かれています。

 

【逆説の接続詞】

「しかし」「でも」

「ところが」

「にもかかわらず」 など

前の事柄から予想されることと逆の結果になる。

 

(例文)

過去と他人は変えられない。「しかし」、未来と自分は変えられる。

 

これも素敵な言葉でとても好きな言葉です。

 

ここのポイントは「しかし」です。

「しかし」の前の部分では変えられないという話をしていますが、

後ろの部分では変えられるという逆の話になっています。

逆説の接続詞が出てきたら、言っていることが変わっているという構造を理解しておいてください。

 

もう一つ、逆接の接続詞には大切なポイントがあります!

それは、逆接の接続詞によって筆者の主張が分かる!ということです。

 

例えば、「しかし」「でも」のあとはには筆者の主張が書かれていることが多いです。

「確かに~。しかし、~」といった表現で書かれることも多いです。

先ほどの例文でも、言いたいことは「未来と自分は変えられる」ということです。

 

なぜ、わざわざ逆接の接続詞を使って言いたいことを主張するのでしょうか?

お小遣いアップの交渉を例に考えてみましょう。

 

お母さんは高校生のお小遣いは月に5,000円で十分だし、受験生にお金使う時間もないと

思っているでしょう。

「でも」、塾に行ったらお菓子も買うし飲み物だって買うし、先月は参考書だって買ったし

遊ぶ以外にだって高校生も色々お金使うんだよ!

 

このように先に相手の反論を書くことで、自分の主張の正当性を強めています。

特に、文章で書く場合は「筆者から読み手への一方通行のコミュニケーション」です。

読み手に反論があっても、追加で説明することはできません。

だから、わざわざ言いたいことと逆の主張を書いて、

逆接の接続詞を使って相手の反論を否定しています。

 

一方で、同じ逆接の接続詞でも「にもかかわらず」は

前に筆者の主張が書かれていることが多いです。

 

塾に行ったらお菓子も買うし飲み物だって買うし、先月は参考書だって買ったし

遊ぶ以外にだって高校生も色々お金使うんだよ!

「にもかかわらず」、お母さんは高校生のお小遣いは月に5,000円で十分だし、受験生にお金使う時間もないと

思っているでしょう。お母さんは何もわかってない!

 

といった、不満の気持ちが聞こえてきそうですね。

 

また、「ところが」には、筆者の主張よりも、単純な説明的に使われることが多いように思います。

 

言いたいことがあるんだなーと思うだけでも、少し評論文が読みやすくなるのではないかなと思います。