Backup Technique(2) ブロードバンド回線
ブロードバンド回線を利用した場合をマルチホームミングという。
基本的な考え方は、ISDNのケースと同じで、ルータを使って切り替える。
対応ルータは、アライドシステムの「AR550S」やヤマハの「RXT1000」がお勧めで、値段は7万程度。
平常時は2本の回線を同時に使い、帯域を有効活用する負荷分散機能を備えるものもある。
ただし、この負荷分散機能を使うと、TCPセッションをまたがってIPアドレスを固定できないため、FTP(※)や複数ページにまたがるWebサイトで支障がでることもある。
(※)FTPとは
File Transfer protocol の略でIPネットワーク上でファイルを転送するためのプロトコル。ファイルを転送するまでに用途別に複数のTCPセッションを確立するという特徴がある。
Backup Technique(1) インターネット接続 ISDNでバックアップ
ISDNでバックアップ
1.基本
バックアップ回線としてISDN回線を用意し、冗長化を図る。帯域が細くなる分が、ルータのフィルタリング機能を利用しアプリケーションを制限することも可能。
2.準備物
ISDN回線(基本使用料、ダイアルUP接続契約、ダイアルUPルータ(3万程度から)
3.方法
① 手作業
確実だが面倒。
② 自動バックアップ
■概要
ルータの自動バックアップ機能(※)を使って障害時にISDNに切り替える。バックアップした後も障害を検知したメイン回線の状態を監視し、復旧すれば、メイン回線に切り替えて、ISDN回線の使用を終了する。
(※)バックアップ機能付ルータ(7万円程度)
ヤマハ「RXT-1000」、センチュリー・システムズ「XR-440/C」
■検知システム
(A) PPPoE(point-to-point protocol) レベルで検知
イーサーネットのMACフレームを使って、PPPのパケットをチェックする。フレッツシリーズを使用しているケースで有効。
(B) IPアドレスレベルでの検知
チェック先IPアドレスをルータにセットし、1分間に1回程度、ping コマンド(IPレベルで通信できるかを確認するコマンド)で使用するのと同じICMPエコー要求(※)パケットを送る。3回程度応答がなければ、ISDN回線に切り替える。
(※)ICMPエコー要求
ICMP(Internet control message protocol)とはIP通信の状態に関する情報をやりとりするプロトコル。ICMPエコー要求は、ICMPのメッセージの一種で、相手に応答を促す。
■懸念点
①ISDNは重量制課金のケースが多く、障害が長引くと通信コストが増大する。
②ルータで自動検知させた場合、誤検知がゼロではない。例えば、IPアドレスを確認先のサーバに障害が発生したケースなど。