1049. レイダース/ブレードランナー/E.T./エイリアン2/バック・トゥ・ザ・フューチャー | 同世代名画館DX

同世代名画館DX

昭和37年生まれの支配人です。小学校でライダースナックを川に捨て、中学で赤いシリーズに毎週熱中、高校で松田優作に心酔した世代です。50~60代の皆さん、いつかどこかで観た映画とともに、時間の旅をお楽しみください。

1981年に東京へ大学進学した私は、授業のない時間はひたすらバイトと名画座巡りに費やした。
70年代の名作映画を掘り当てる日々。もちろん新作映画も観に行った。80年代のハリウッド映画は、ますます映画小僧を夢中にさせてくれた。


スピルバーグ&ルーカスによる「インディ・ジョーンズ」シリーズ第1作「レイダース 失われた聖櫃(アーク)」(81)は、当名画座の第1回上映作。
大学1年の年末、まだ彼女もおらず、一人で新宿ミラノ座で観た。めっぽう面白いという前評判通り。「いったい何でこんなに面白いんだろう!」と狂喜した。
映画監督を目指した頃、この映画の演出法を研究しようとした。物にはならなかったけど。その後30年、今もこれ以上に面白い映画にはお目にかかっていない。そう思ってる。


同じくハリソン・フォード主演の「ブレードランナー」(82)も、確かミラノ座で一人で観たかな。
あまり期待しなかったにもかかわらず、その独創的な特殊撮影の見事さと、含みの多い複雑なストーリーとテーマに驚いた。
それは世界中の映画ファンも同じだったようで、本作はSF映画史上稀に見るカルト作となった。リドリー・スコット監督は尊敬するけど、「ディレクターズカット最終版」「ファイナルカット」と、どんどんバージョンが増えて行くのはいかがなものか。


「E.T.」(82)で、スピルバーグは世界の頂点に立った。
これもミラノ座で観た。今の奥さんと数回目のデートで。全世界記録的大ヒット作の、日本公開初日に並んで観た。
自転車が空を飛んだ時、鳥肌が立った。クライマックスまで一気に見せて、プッツリと終わる幕切れの潔さも好きだ。それから何回観たことだろう。映画館だけで5回は観た。
20年後、「アニバーサリー特別版」を子供二人連れて家族で観た時は、感慨深いものがあった。映画を長いこと観てると、こういうこともあるのだ。


正反対に邪悪な宇宙生物との闘いを描く「エイリアン2」(86)も大傑作だ。
リドリー・スコット監督による「エイリアン」第1作も面白かった。でも、前年「ターミネーター」で登場した奇才ジェイムズ・キャメロン監督は、原題「ALIENS」と複数形にした抜群のアイデアで、1作目より面白い「2」にしてしまった。
その後のキャメロン監督の活躍は言うまでもない。スゴい!スゴ過ぎる!


「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85)の面白さは、「レイダース」に匹敵するかも。
スピルバーグ製作総指揮の文字が、大ヒット必至の魔法の言葉だった頃。その言葉が無くても充分勝負出来る奇跡的な脚本を書いて、監督したのはロバート・ゼメキス。この人もその後オスカー監督になった。
「PART2」と「PART3」を同時に作り、「2」の結末を宙ぶらりにして、矢継ぎ早に「3」を公開する手法は、「BTTF」から始まった。
こういう練りに練った伏線と、最後までハラハラさせる構成の、アイデアが詰まった脚本の映画って、90年代以降ないような気がする。


いよいよ明日は、80年代末と90年代初頭、ハリウッド娯楽映画絶頂期作品。
そして、当名画館の千秋楽!お見逃しなく。