こんばんは。小泉進次郎です。


今日は千葉県の山武市・香取市を訪問し、主に津波や液状化の被害からの復旧状況を視察しました。


はじめに木戸川堤防を訪問し、津波が遡上した際の様子や、その後の復旧や嵩上げ工事の実施について説明を受けました。また山武市の消防団の皆さんから震災当時の対応のお話を伺いました。最近も各地で大雨による被害が相次いでいますが、消防団の役割は今後ますます重要になっていくと思います。


車での移動の際は、椎名千収市長とご一緒し、市内の現状を伺いました。市長のタブレットで津波が来た時の様子も動画で見せていただきましたが、津波の脅威がよく分かる貴重な映像でした。


その後、小林牧場を訪問しました。小林牧場は、原発事故の影響で福島県の飯舘村から牛とともに避難した小林将男さんが、山武市で始めた牧場です。原発事故により避難を強いられ、新天地で牧場を再開するまでには、計り知れない苦労があったと思いますが、小林さんは終始笑顔で牛舎を案内しながら色々なお話を聞かせてくれました。小林牧場は、2016年で土地の契約が満了しますが、その後の移転先探しを市が支援しているそうです。また、山武市では岩手の大船渡市に職員を派遣したり、千葉県内で避難生活をしている方々の交流会を開催しているそうで、被災地でありながら、被災地の支援を行っています。こういった被災地同士の連携は、災害を乗り越え、発展していくために深めていく必要がありますね。


山武市から香取市に移動し、香取市役所を訪問しました。宇井成一市長から震災当時の液状化の状況等について伺った後、実際に市役所の周りの住宅地等を一緒に見て歩きました。震災からもうすぐ3年半になりますが、まだまだ住宅の傾きやひび割れ、地盤沈下等が確認でき、被害の大きさを実感しました。災害公営住宅やそのすぐ側に作られた地域交流拠点、地盤沈下の被害があったゲート付ポンプ場も視察しました。


それから「伊能忠敬記念館」を訪問しました。以前、立川志の輔さんの「大河への道 伊能忠敬物語」を聴いたこともあり、ぜひ行きたいと思っていた場所でした。測量器具や「伊能図」を見て、日本初の実測日本地図を作りあげた伊能忠敬の偉業の一端を改めて感じることができました。香取市の皆さんで伊能忠敬の人生を大河ドラマにしようという活動も行っているそうですが、実現することを期待しています。


最後は重要伝統的建造物群保存地区に指定されている町並みを歩き、お店の方々からお話を伺いました。自分たちの町を自分たちの力で盛り上げていこうという工夫と気概を感じ、政治・行政・補助金頼みではない新しい地域活性化についてのヒントを得ることができました。


今日一日を通して、災害リスクへの対応と地域活性化という日本の重要な課題に対応するためには、住民の皆さん一人ひとりの力を結集させることが必要であると改めて実感することができ、充実した視察になりました。視察に協力してくれた山武市、香取市の職員の皆さんや、暖かく迎えてくれた地域の皆さん、今日はありがとうございました。