こんばんは。小泉進次郎です。


今日は宮城県の石巻市を訪問しました。


石巻市内の中華屋さんでお昼ごはんを食べて腹ごしらえをしてから、北上地区にある相川運動公園仮設団地を訪れ、住民の皆さんと集会所の和室で膝詰めの意見交換会を行いました。漁業関係の方が多く、震災から3年以上が経った今も風評被害に悩まされているという切実なお話を伺いました。復興庁としても、風評被害対策として適切な情報発信をより強化すべく考えているところです。お話の後にいただいたウニやワカメ、とても美味しかったです。こういった素晴らしい素材が風評被害で売れなかったり、買い叩かれたりしてしまうことがないようにしなくてはいけませんね。



仮設住宅での対話集会の後にお邪魔したのは、日本製紙石巻工場です。今回の訪問は、「紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている」という本をFacebookのメッセージで書店員さんから勧めていただいたことがきっかけでした。津波の被害で絶望的な状況に陥った石巻工場が、現場の社員さんや関係者の皆さんの熱い思いと努力によって奇跡の復興を果たすまでを描いたノンフィクションです。


この本を書いた佐々涼子さんは、新聞のインタビューで「自分のからだの中を通って文字を起こす記録係として、この物語を読者に伝える駅伝のタスキを渡されたようで必死だった。次はタスキを『自分に預けてほしい』という書店員さんがたくさんいて、読者に渡っていくのを感じている」とお話していました。まさにそのタスキが、書店員さんから私にまわってきて、今回この石巻工場の訪問が実現しました。このブログを読んでいる皆さんのところにも私からのタスキが届いていたら嬉しいです。


工場では、物語の中に出てきた抄紙機を実際に目にする事ができ、また震災からわずか半年という短期間で抄紙機を稼働させた現場の皆さんともお会いすることが出来て感動しました。佐々さんの本を読み、実際に日本製紙石巻工場を視察して、紙が出来上がるまでの工程やそこに携わる方々とお会いしたことで、紙に対する見方と思いが一変した気がします。政治の現場にも紙は不可欠です。これからも日本の出版文化を支える皆さんを感謝と敬意を持って、応援しています。


工場視察の後は、祐ホームクリニック石巻を訪問しました。ここは、私が内閣府政務官として参加している「選択する未来」委員会でご一緒している武藤真祐先生が立ち上げたクリニックで、復興庁の「新しい東北」先導モデル事業に採択されています。ICTを活用した最先端の地域包括ケアシステムを展開しており、具体的には、医療・介護事業者・家族間での患者さんの生活データの共有や往診の際の効率的な訪問ルートの作成等のシステムを構築しています。実際にそのシステムを見せていただき、その利便性と質の高さを実感しました。


そして、今日の最後は、石巻グランドホテルで開催された祐ホームクリニック石巻の武藤先生が発起人を務める石巻在宅医療・介護情報連携協議会の発足式に出席しました。高齢者が安心して在宅療養できるように、ICTを活用して医師やヘルバーさん等の関係者で情報共有をはかり、質の高いサービスを提供していくための協議会です。協議会の皆さんのお話を伺い、この会にかける皆さんの熱意と期待の高さを感じました。被災地発の高齢化社会に対する新しい取り組みのモデルケースとして、今後の発展を期待しています。


今日も各訪問先で様々な現場の方からお話を伺え、学びの多い出張になりました。今後の具体的な施策に活かしていきたいと思います。同行してくれたスタッフも、現地の関係者の皆さんも、今日も一日お疲れ様でした。