なんか、初動の意見が交錯してて、
観に行くか行くまいか悩んでたんだけど、
昨日の暑さでは外遊びもためらわれ、
かといって、他に適当な映画もなかったのよねぇ。
映画館は400人収容で、50人くらいかなぁ。
空いてました。
主人公は、宮崎駿監督お得意の未来少年コナン顔。
時代は昭和18年くらい?
内容は、ヒ・ミ・ツ!
小説「君たちはどう生きるか」とは、
関係ないと断言していいでしょう。
他のSNSなんかでは、
何が言いたいのか分からなかった、
ストーリーがない?、わからない?
ま、観てきた人間に言わせると、
それはその通りかもです。
物語って、起承転結、予定調和
期待する筋書きってもんがあるんだけど、
この映画は、
それをちょくちょく外してくれるのよね。
だから、あれ、これはなんなの?
と、理解しようとするんだけど、
それがなかなか追いつかない。
それは例えば、トトロってなんなの?
まっくろくろすけってなんなの?
なんで、サツキに優しくするの?
映画の中では登場理由も、
その正体も、
行動原理も、何も説明されていない。
時間をかけて、人間好きな妖怪の類い
くらいの解釈をみんながしているだけ。
千尋が雇われた油屋も湯婆々も同じ。
顔なしも同じ。
ハクは河の神様みたいだけど、
それがなんでここに居るのか、
千尋との関係とかもよくわからない。
一応、昔、千尋がおぼれてたらしいけど、
じゃ、千尋がまた迷い込んだ理由も不明。
結局、宮崎駿の作品には、
こういう意味不明で脈絡が無くて、
正解の無い設定がよく出てくのよね。
で、観客が右往左往するのを楽しんでいるのかもしれない。
または、そこは観客の解釈に任せているのかもしれない。
だからね、そこは誰かが正解探しを試みるんだけど、
それは無駄では無いけど、お節介だとは思うのよね。
夢は各人が勝手に見るじゃない。
そして、その展開は常に支離滅裂だよね。
場所はしょっちゅうテレポートするし、
登場人物は突然出てくるし、
展開は早いし、思い通りにならないし、
これはそういう映画。
トトロだと
サツキとメイの姉妹愛・家族愛があるし、
千と千尋の神隠しだと
湯婆々などとの駆け引き、もしくは
善悪の対立軸があり、
ストーリーやらイベントが分かりやすかった。
今回の映画は、それが完全に支離滅裂で、
伏線を、つまり宮崎駿のアイディア・思いつきを
提起するだけしておいて、
ほとんど回収しないまま終わります。
その予想外というか無軌道な展開は、
夢だと思えば不思議ではありません。
でも、見ている人はどうしてそうなるのか、
どうしたら元の物語に戻れるのか、
理解しようとしていると置いてかれます。
面白そうな展開の臭いだけ嗅がせて、
何も食べさせてもらえない感じ。
だから、なんだか分からないのです。
ま、それが彼のたくらみかもしれないし、
彼自身が、次回作が作れそうもないので、
とりあえず形にしておいて、
誰かに引き継がせたいのかもしれません。
それも含めて、
正解なんて、誰にも分からないのだと思います。
映画とか小説とか、
一応の結末を迎えますが、
今回の映画には結末らしい結末は、
ないと言っていいでしょう。
不思議の国のアリスは冒険をして帰ってきますが、
そこには冒険譚やら体験からくる学び・教えがあります。
この映画は回収しない、つまり結論に至ってないので、
読後感は残りません。
だからなんなの、これからどうなるの、
あれはどうなったの?
それは自分の心の中で紡いでいくか、
自ら映画監督になるしかないのかもしれません。
ま、
「○○監督が宮崎駿の意志を継ぎ」、
なんて見出しで、駄作を作りそうな気がしますが。
最後に
まだ観てない人は、
観て損はしないと思います。
探偵コナンや仮面ライダーみたいな、
分かりやすくスピード感のある展開が好きな人にはお勧めしませんが、
宮崎駿が好きでも嫌いでも、
あー、この人はこんな事を考えつく人だった、
日本民話の怖さと
ジブリの不思議世界と、
ちょっとした既視感を味わえるでしょう。
アニメーションとしても、3Dでない、
良き日の日本アニメとして鑑賞できますし、
声優陣は豪華だし、主題歌も、ね。
何回か観るうちに、
「君たちはどう生きるか」
の主題が分かるかもしれません。
了
PS これを書いて寝たら、
久しぶりに亡くなった親父の夢を見た。
親父が生きてるのを不思議に思わず、
普通に話してたよね。
夢って、そういう世界。
戻ってきてから、
普通ーに酒飲んでたなぁ、とか思い出す。































































































































































