最近、沖縄に縁があって、
ここ5年位は1年にいっぺんくらい仕事で来ている。
仕事なので行く先々はだいたい決まってて、
見聞きするものもそれほど多くはないのだが、
国際大通りなんかは地元の繁華街より見慣れていたりする。
だから、今回の10月29日-11月1日の仕事でも、
そんなに旅行気分が高まる訳でも新発見を期待する訳でもなかったのだが、
今回はちょっとだけ、いいことがあったので、その報告。
もし、これから沖縄に行く人が居たら、
是非参考にして欲しいと思うくらいは、
いい経験、お得な経験ができた。

イオンモール沖縄ライカムの屋上から中城湾を望む
よく見えないが軍艦が浮かぶのが沖縄的
オラは色々と収集癖があるが、焼き物もその一つ。
以下、ちょっと焼き物のうんちく。
めんどくさい人は、通りの画像のあるとこまで読み飛ばして下さいwww
沖縄の焼き物といえば壺屋焼きだが、
全国の陶磁器産地と比べると、その地位は高くないと思う。
オラの中での評価も今ひとつである。
島なので周りの影響を受けなかったという独自性はあるものの、
地域の雑器作りという要請・環境が、実用品としてのレベルにとどまり、
使用感の質も芸術性の高さも、洗練される機会を与えられなかったというのが、
最大の原因だろう。

壺屋焼きの代表的な赤絵の湯飲み
魚紋のお皿なども有名
とかなんとか、マイナスの評価を付けながらも、
飛行機に乗る前の1時間を、
壺屋焼きの窯元の店が並ぶ、やちむん通りに散策にあてるのだった。
しかし、行ってみると、平日だとホントに人が居ない。
お店の中の作品も見たいのだが、
まず買うことが無いので小心者の自分には敷居が高い。
(家の中が雑多なコレクションで一杯なのだ)
来週はお祭りなので特売品も並ぶし、気楽にお店の中にも入れるのに残念だ。
今回もちょっと店先に出してある特売品の幾つかを見るのがせいぜいである。
窓越しでもいいから、もっと作品を見てもらう工夫をすることは、
この通りの賑わいを考えると必要だと思うんだけどなあ。
というような欲求不満な時間に終始するはずだったのだが、
今年は違った。
行く前に何気なく見ていたガイドブックに、
違うアプローチを見つけたのだ。
やちむん通りというのは、文字通り一本道で、
窯元のお店はここに集中する。
逆に言うと、その近隣は普通の町並みである。、
人気観光地の公設市場から歩いてくる道以外は、
まったく普通の町の普通の通りで、
特に見どころはのようなものはない。
唯一、オラが個人的に気に入っているのは、
通りの入口の手前、博物館の左手を登っていく細い道である。
街中に、砂岩と泥岩の小山がぽつんと残されているのだ。
その端を崩して道を作り、奥行き1メートルほどの飲み屋が建てられている。
いつ崩れるかもしれない崖と
崖下に作られた飲み屋の織りなす風景は、
50年前の残照のようで気に入っている。

電柱の位置から1mの小屋が飲み屋さん
話が逸れた。
いずれにしても、たまにしか来られないので、
何か新発見があるかもと思い、
やっばり行っちゃう所なのである。
しかし、今回は手がかりがあった。
アイテムの気配を感じさせたのだ。
それがこの地図のこの道。

左端の真ん中が壺屋焼き博物館。
そこを登り左に行くのが毎回のパターン
さっきの崖道を登ること、過去にたぶん3回。
3回とも坂を登ると国際大通り方向に左折していた。
右は何もないだろう普通の町並みだからだ。
だが、地図の矢印は右折している。
これは、迂闊(うかつ)だった。これは行くしかない。
それがしょーもないお勧め散歩道でもだ。
この新しい道の探索は、
感想から言うと、まあまあでした。

古い佇まい(たたずまい)の天ぷら屋有り、最新ビルと屋根瓦のコントラスト有り、
焼き物の欠片を埋め込んだ歩道有り、カラーマンホール有り、

昔ながらの細道有りと、
ほんの数百mの割には、そこそこ見どころがあった。

左が「すーじ小」。すーじぐゎ と読む。沖縄の言葉で小道のこと。
右の塀の上のチブルシーサー(シーサーの頭、の意味)はちょっと怖い。
それで終わり?、お得はどうした?
すみません。前置きが長くなりました。
沖縄の言葉で「すーじ小(ぐゎ)」と呼ばれる小道は、
さっきの崖と同じで、昔の風景と言えばそうなんでしょうけど、
うちの近くにも有りそうな気もします。
でも、次のお店の「すーじ小」は、他ではちょっと見かけない茶屋です。
鎌倉の裏山の辺りにはありそうな感じかな。

70年物の民家を小綺麗にして
喫茶+軽食のお店にしてあるみたいです。
入口に、沖縄そば¥500、ぜんざい¥350、コーヒー¥350とか書いてありました。
価格は普通ですね。
こんな店に、オラはたいていは入らない。
でも、今回は入る気がしたし、入った。なぜか?。
たぶん、感性です。気に入ったんですね。
この30分位前に、沖縄そば¥500の店があっても入らなかった。
そのときは、食べるより散策を選んだんです。
しかも、この近くに「いなか」という¥380位の安いお店も知ってるしね。
時刻は11時30分頃だったけど、お腹が空いたから入ったんじゃない。
ぜんざいは今回はノーマークで食べる予定は無かったし、
コーヒーも健康上の理由で今回の旅では自制していたくらいだしね。
沖縄のぜんざいは甘い煮豆の上に氷をかけてあるデザートです。
色々書きましたが、とにもかくにも入りました。
なかなかお店の作りや装飾にも見どころというか、味のあるお店です。

店員さんは女性一人で、
このお店の内装のセンスは、この人のものなのかもしれません。
善し悪しの判断は読者にお任せしましょう。


二人の男性の先客が居たのですが、
何故か沖縄三味線のサンシンの練習をしています。
そして猫は何かを狙っている。
注文は、Cセットにしました。
せっかくなので、一通りの味見をしたくなったのです。

で、これが
大正解
沖縄そばなんか、肉とか具が小っちゃいでしょ。それでも大当たりなのです。

見栄えは30点ですよ。
見てくれは¥500なりのチープな一杯のはずなのに、
これがびっくりするほど旨い。
3日前に食べたガイドブックにもよく出てる花笠食堂の10倍は旨い。
そして、ジューシーがもっと旨い。
沖縄で食べた過去20杯以上のジューシーで唯一、本当に旨い。
感動的ですらある。
時間的に作り立てだったということもあるんでしょうけど、
ご飯の堅さ、味付け、粘りけ、暖かさ、そのバランスが完璧。
今まで食べた、作り置きで冷えててご飯がぼろぼろしてたり
固まってたりしたのとは、全然違う。
ちゃんと一品している。
オラは急遽、
注文をCセットからコーヒー付きのすーじ小セットに
グレードアップさせてもらいました。
予感がしたのです。

そして出てきたのは、もちろん、お品書き通りのぜんざいとコーヒーですが、
たっぷりと入った大盛りのコーヒーには心くばりさえ感じます。
ぜんざいに乗ってるのはかき氷じゃありません。
綿雪のように削った氷をこの形に整形しているのです。
だから、口に入れるとふわっと溶ける。
雑でおおざっぱな伝統的なおやつが、
銀座のスイーツに変わったというイメージです。
これは一品で頼んでも、¥350の価値は十分にあります。
他の店の多くのぜんざいはかき氷なので、そもそも感動はしないし、
たいてい頭が痛くなります。
コーヒーは、んー、豆は普通かな、すいません。
判定は公正にします。
豆は、炒りたて挽きたてじゃないですかね。
でも、ネルで煎れてる本格派です。
機械で煎れるエスプレッソは味気ないからね、
表面に浮く油分と最後に残る豆が本当のコーヒーの証しです。
これを贅沢と思えないなら、オラと価値観は合わないだろうから
以下は読まなくてもいいかなぁ。www

香りが足りない分はマイナスだけど、
ブラックで十分に飲めるレベルのコーヒーは、
こういう個人店だと¥500以上の値段をつけてる店も多いです。
ぜんざいがおいしくて先に食べちゃったけど、口直しにもちょうどいいです。
以上4品で、トータルたったの¥1,000。
驚きのコストパフォーマンスです。
安いだけなら他にもあるけど、ここの料理は本当に旨い。
料理やコーヒーの質に妥協が無くて、きちんとした完成品に仕上げている。
それでいて一品の価格は普通程度、セットにしたら半額程度です。
これは賞賛に値します。
さらに、これが最大の加点ポイントですが、
すべての器が当然のように壺屋焼きです。
水の入ってるカップは¥1000もしないでしょうが、
特に、コーヒーカップ&ソーサーは上等です。
上絵の具が厚盛りで、買えば¥3000前後とオラは推測しました。
窯元やデパートなんかだと、¥5000で売ってても不思議じゃないです。
これを鑑賞しながら飲めるのは、壺屋に来た甲斐があります。
あと、お店の雰囲気ですよね。
すーじ小は裏小路と訳されることもあるようだけど、
表通りの喧噪を離れたのどかな空間と、
昭和の空気をもつ店の居心地の良さを
感じられるか、楽しめるか、が
このお店を好きになるか否かの基準になる気がします。
もちろん、オラが本能的に好きになったしまったのは、当然のことです。
いやあ、いい店を見つけた。
他の人の評価は知らないけど、
次回も絶対ここに来ようと思える、最高の穴場を見つけてしまいました。
オラの感動が本物なのは、
これだけの字数を使って、5時間以上かけてブログにして、
みんなに知って欲しいと思ったのをみれば、
分かると思います。
あ、沖縄そばの具が小さいのはかなりマイナスだと思う人が居るでしょうが、
これには、隠された理由がある、とオラは邪推していますwww。
それは猫です。
このちび達は、どうもお客さんから肉の分け前をもらってるらしくって、
オラがそばを食べてると様子をうかがいに来るんですね。
店主らしい店員さんもそれを知ってて、
入ってこようとするのを監視してるみたいです。
まあ、変な癖を付けるのは良くないですからね。
でも、猫たちはキャットフードがまだ残ってるのに、
ソーキの欠片がもらえるのを楽しみに待ってるみたいですよ。
ここまで書いて、食べログを確認してみました。
そもそもこんな小さな店が取り上げられてるかも自信なかったのですがね。
評価は3.08。
ありゃ、意外に低い。
でもね、口コミは良いことしか書いてない。
特に、味は間違いなさそうね。
夏は蚊が入ってきたとかあったけど、それは場所柄仕方ないじゃ無いwww。
そか、店主さんは元スッチーなのね。
だから、感性が高いのかもしれない。
でも、これを見て観光客がどっさり訪れるとは思えないので、
オラのお気に入りにして、また来ることにしましょう。
お店を出た後、小道のほうのすーじ小を探索して、
店頭を冷やかしながらうちむん通りをウロウロしていると、

右は昨年はまだ工事をしてた新垣家住宅。
伝統的な壺屋陶工の住宅形式だそうだが、綺麗になりすぎたかな

道路や井戸や壁に、たくさんの焼き物の欠片を埋め込んでいる。
上物の欠片が多いので、店頭より見る価値がある、とオラは思う。
なんのことはない、
茶店「すーじ小」の案内板が表通りに有るじゃありませんか。

なんか偉そうな事書いてて、
今までの訪問時には気が付かなかったのか、スルーしてたのか。
「ここは所詮この程度」という思いこみが、
観察眼を曇らせていたんでしょう。
でも、
この看板を見つけてたとしても
「沖縄そば」には誘われなかっただろうなあ、と思う。
あの小道の脇にあの佇まいと猫が居たからこそ、
寄ってみるかになった訳で、
それが今回の出会いだったんだろうな。
これ以上宣伝して混雑店になってしまうのは嫌なので、
食べログの評価は上げないことにしました。(笑)
看板のビールの値段がメニューと違ってるので、
直しとかないといけないねwww
今回はいい旅の思い出ができました。
これを機に、運勢がいい方に向かうことを祈りましょう。