三重県鈴鹿市の社会保険労務士・小岩広宣です。
社労士といえば、助成金。このようにいわれる方が多いです。
商工会議所などで助成金セミナーをさせていただいていることもあって、やはり助成金についてのご相談、ご依頼を多くいただきます。
もちろん、助成金は私たちが関わる重要な業務のひとつです。
単に制度の案内にとどまらず、会社の状況や今後の展開に最適な助成金を提案し、実際に受給していただくのが社労士の役割。
会社さんから、「ありがとう」という言葉をいただくと、やはり嬉しいものです
ただ、私は助成金を活用するのにあたっては、慎重な目線を持ってくださいという態度を貫いています。
不正や不適切な申請はもとより論外ですが、そうでなくても助成金を受けることのメリットとデメリットを確実に理解していただくようにしています。
お金を受けることができても、同時にそれ相応にリスクを背負うことになるケースがあるのが、助成金。
それを理解せず、単にお金を受けることだけが、唯一の目的という姿勢の方には、お断りすることもあります。
真に会社の将来のことを考え、経営全体への影響を見抜くことが、専門家としての責任だと思っています
と同時に知っていただきたいこと。それは、助成金を取り巻く財政状況です。
助成金は素晴らしい。どんどん活用したいという人は多いですが、これを知る人は意外にも少ないのです。
労働保険特別会計雇用勘定の中の「雇用保険二事業」の収支。
これが、雇用保険を財源とする厚生労働省の助成金の財政状況になります。
参考までに、平成19年度以降の状況を見てみると・・・。
【19年度】
収入・・・5,168
支出・・・3,195
差引剰余・・・1,972
(雇用安定資金残高・・・10,679)
【20年度】
収入・・・5,230
支出・・・5,649
差引剰余・・・▲419
(雇用安定資金残高・・・10,260)
【21年度】
収入・・・5,199
支出・・・11,992
差引剰余・・・▲6,793
(雇用安定資金残高・・・3,467)
【22年度】
収入・・・10,039
支出・・・12,350
差引剰余・・・▲2,311
(雇用安定資金残高・・・1,155)
【23年度】
収入・・・6,192
支出・・・8,295
差引剰余・・・▲2,103
(雇用安定資金残高・・・563)
20年度からは赤字収支の連続。
助成金等の財源としてプールされている雇用安定資金も、枯渇寸前です。
21年度には、雇用安定資金の残高がいっきに3分の1になったことが、ニュースにもなりましたね。
このままいくと、24年度は? 恐くなってくるような、現状です
もちろん失業等給付の財源や一般財源からの組み入れもあるにせよ、危機的な状況にあることに変わりはありません。
みなさんは、この実態をご存じですか?
社労士なら、会社にきちんと説明できてしかるべきだと、私は思っています。
その上で、今後の動向をある程度見通し、助成金の活用についても検討すべき
何でもかんでも、助成金を受ければいいという時代は、終わりました。
もちろん、だからこそ、いま絶対に受けるべき助成金もあります。
真実を語り、責任を持って助成金を提案していきたいものです
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