Side Steps' Today -2ページ目

Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

エフェクターも一応はおいてある。我が日本製BOSSと米国MXRで過半を占めるが、例えばBOSSのDS-1(ディストーション)が60ポンド(1.2万円)→日本での実売価格は9千円、TU-3(クロマティックチューナー)が65ポンド(1.3万円)→同じく1.1万円とチョイ高な程度にて大変意外。Keeleyの4ノブ・コンプレッサー(Compressor Plus)で120ポンド(2.4万円)→2.1万円と、これも意外にフェアな価格設定。ロンドンでは特に外食が高くて美味しくないが、楽器は意外にフェアバリューかもしれない。次なるNO.TOMという楽器屋はビンテージ&クラシックと表で謳っていることもあり、軽くみてパス。表にはギブソンのSGが数台展示されているが、以下にもベルベット・ダークネス時代のアラン・ホールズワースが弾いていそうな感じだ…。期待が膨らんだのは、その隣にあるWunjo Guitarsという店。ここでの注目は店中央にあるネオン管での看板「←BASS」‼︎。店頭にも「Wunjo Bass」とある。期待に胸を膨らませてネオン管の示すベースコーナーに直行するが、そこは怪しい地下の小部屋。左右の2部屋に分かれていてそれぞれに区別なくベースが置いてあるが、数のわりには目ぼしいものなし…。特にKen Smith、Sadowsky、Foderaといった米国系カスタムな楽器は全くなく、幅を利かせているのはFender、そして我が日系メーカー。期待値が高かっただけにガックリ感は否めないが、ベースの専門コーナーがあったのは評価しよう(上から目線であいスミマセン…)。しかし、楽器屋におけるベースコーナーというのはなぜに地下にあることが多いのだろう。安直にベースだから? そのお隣はRegent Soundsというお店。こちらは店頭の雰囲気からも洗練された感じが伝わってきて、リージェント・ストリートと重なるからだろうか、なかなか良い感じだが、品揃えは同様。その対面にはこれまた1898年創業というDawsonsという店があるも品揃えは略同様、結果としてどこで買っても同じような印象。楽器屋街に期待してきたが、滞在時間は15分ほどで退散。(完)

 

 

来たる11月15日(土曜)のライブに出演いたします。詳細は最下段をご覧ください。みなさまのお越しをお待ちしております。

CCJとはCrossCoverJapanの略ですが、Fusionと言わないのが良い!ワタクシ、その名を冠した某大学の変態サークル所属ですが、名を冠する一方で内部では「軽フュー」(軽いフュージョンの意)という用語もあったのですが、個人的にも「どんな音楽やっているんですか」と聞かれると昔から実は「Fusion」と言えないことを告白します…。

場所は汐留といいますか築地といいますか浜離宮といいますか、いずれにせよ、とても良い場所です。ライブの前にランチでもかましてからお越しいただくのがよろしいですが、築地でも新橋、いずれも面白い。最近はインバウンド需要で発狂的混雑の築地ですが、一部エリアは狂乱的な混雑ながらそこから外れれば外れるほど良い店があります。先日はマグロ尽くしの寿司屋に参上するも、安価で満腹。帰りに銀座まで歩いてもなお満腹感は解消されない状態でした。なお、築地は以前からインバウンドには名が知れており、それだけ対応も十分。10年以上前に出張できた英国在住イラク人が寿司を食べたいというので行ったのですが、寿司職人はネタを全て英語で説明していました。素晴らしい。

現地の名物を食することこそ、旅の醍醐味であり、消化器系が頑丈だと自覚するワタクシもいろいろ敢えてトライしました。最近印象に残ったのはベトナムの「チャーカー」。雷魚の油鍋ですが、釣り少年だったワタクシにとって雷魚は分解すると寄生虫だらけでコワモテの恐ろしい魚。それを食べられるというのでハノイについた足で勇んで向かったのですが、食するに同席の一同は無言…。想像以上に脂っぽい。そして思わずコーラを飲もうとオーダーすると英語が通じない!というのもこの店、座ると自動的にチャーカーが出てくるという専門店なのでした。インバウンド勢も日本食が口にあえばいいですが、ダメだと思わず無言になるのでしょうか。閑話休題。CCJのライブは立地だけでなく会場も良い。良い会場はロー(低域)がよく出るのですが、都内でも屈指の音の良いライブハウスです。6時間ほどの演奏ですが、どのバンドも面白い。会場はお客さま最優先にて我ら出演者は楽屋裏の楽器置き場で拝聴するのですが、いつも思わずニヤけてしまう内容です。

配信もございます。PinoCoのYouTubeには映像は例年載りませんのでライブ会場限りです。お待ちしています。

 

日時:11月15日(土曜) 13:30開場 14:15開演

場所:汐留Blue Mood

ご予約は会場BlueMoodのHPのチケット予約、もしくはPinoCoのFBからお申し込みください。

最初は「Rose Morris」という楽器屋。フロントショーケースにはアコギ、エレキ、ベース、キーボードと展示されており全方位な店だが、「Est 1920」と看板にあり100年以上の歴史がある。1920年といえば日本では大正デモクラシーな時期だが、その頃からあった楽器は日本では大正琴ぐらいしか思いつかない…。入店してみると、いきなりベースをベンベンと試奏する音!かなりチョッパー(いわゆるスラップ)感のある音に期待が高まるが、見てみればリッケンバッカーを指弾きで弾いている…。リッケンバッカーなんてなんとなく英国風で、いかにも、であったが、指弾きであんなにタッチ強く弾いてたら1曲も保たないんじゃ?と合理的な日本人は思ってしまうのだが、そもそもリッケンバッカーは米国のメーカー。ビートルズの使用で英国イメージが付いているかもしれないけど。幸先よい感じに壁一面に陳列されたベースを見遣るが、Tokai、いやAriaProIIが目立って多い。また、日本国内ではほぼ見ないが海外では必ずある韓国のCortも。価格は見るまでもない。ちょっと意外なのは、日本ではほぼ店頭ではお見かけしないレフティー(左利き用)がギター、ベースともに複数台陳列されていること。日本では強制的な右利き同調圧力で矯正されるため、もしくはレフティーは希少で選択肢も少なく、それなら矯正で…という経済的要因なのか、滅多に目にしないが、欧米的個人主義なココではレフィティーの需要も相応にあるのだろう。また、初見だったのは「Shaftesbury」なるメーカー。ヘタな?(失礼)筆記体で書かれているロゴなので読み取りにくいが、シャフツベリは英国の地名。楽器を調べてみるにビンテージでの流通の方が盛んなメーカーだが、まだ現代的な楽器も製造しているように見える。店内にもこのメーカーのロゴの入った看板がかかっており、推している様子だが当方は寡聞にして知らず。一方でヘッド形状は、なんちゃってサドウスキー的でもある。価格は399ポンド(7.98万円)、物価の高い英国にしては意外に安いようにも思うが…。

所用でロンドンへ。日本には楽器屋街があり、都内ではお茶の水ロンドンの楽器屋が代表的ながらも、それは世界的にも稀有な存在と聞いたことがある。それから類推するにロンドンの楽器屋も街中に分散しているかと思われるが、いや、そんなことはない。しっかり楽器屋が集まっている場所はあるものだ。思えば、ニューヨークもそうだった台北やハノイ(発狂的に暑くて断念したので記録はなし)は分散していたけど…。ロンドンで比較的集中しているのは、大英博物館の近く、トッテナム・コート・ロード(Tottenham Court Road)駅より至近のデンマーク・ストリート。なにがデンマークなのかは全く不明だが、ここに数軒のギターショップが並んでいる。日本人としてはローランド・ストア(ロンドン)があるのも良い。もちろん他のギターショップとはやや毛色が違うが、出店する側としては、ここら辺に楽器屋が集中していることからここに店を置いているのだろう。しかし、日本になく海外オリジナルの製品など恐らく存在しないので、ローランドは華麗にパス。ロンドンならではの楽器が見たい、また、極めて可能性は低いが「これは!」というものに出逢ったのなら、これまた発狂的なイギリスの物価を顧みず購入かもしれない、という期待感だけは常にある。かつて実際に海外の楽器屋でなにか購入したことはないけれど…。大概の場合、この期待感は大きく裏切られる。そして「日本の楽器屋はイイ…」という事実に改めて瞠目するというのがパターンである。そもそも、為替がいけない。訪問時の英国ポンドは1ポンド=200円ほど。ただ、体感的な購買力平価は1ポンド=100円。日本の感覚として1ポンド=100円で換算すると日本の物価でシックリくる。つまり、買い物をしようとすると日本での倍を支払って、やっとこさ等価の感覚であって、倍を払ってそれでもなお買いたい!というモノ、つまり、ここでしか買えないとか、大変希少な1点といったモノは果たして存在するのだろうか…。

野地温泉(福島県福島市)

再訪。チェックインするなり、玄関に見覚えのある顔を発見! というのも、数ヶ月前にこの付近で雪崩れがあり、宿泊客と従業員160名ほどが一時孤立。一部はヘリで救助されたと聞いたが、再度雪崩れが発生して1ヶ月ほど業が中止。たまたま見ていたお昼のテレビニュースにて、1ヶ月ぶりに帰宅する従業員が自家用車内からインタビューを受けていた記憶がある。なお、ここの従業員の方は女将伝統なのか社則なのか大抵がリーゼントスタイル。このインタビューでも1ヶ月ぶりの解放にも関わらず、リーゼントをキメていたのが大変印象的だったが、「テレビに出ていた方ですよね?」と直撃すると、乙女が如くはにかんで、「あ…、はい、そうです(笑」と自身の有名人ぶりに満更でもない様子。おもわず「はにかむリーゼント」にギャップ萌え。エレベータに乗る我々に深くお辞儀していただいたのも大変印象深いが、あとで聞けば一時孤立時にもストックの食材で宿泊客に食事は対応でき、食事が尽きるころに開通できたと。ただ、その余波でその後1ヶ月も休業を余儀なくされたらしい。玄関正面から見て右(土湯)方面に進んだ道路が雪崩れで不通となった場所で、訪問時もその痕跡が明らかだったが、それなら逆の左(磐梯吾妻スカイラン)方面に行けば良いのでは…と思いきや、そちらはその時期に除雪が全く入らず、開通するのは例年4月上旬ということだから、なんとか除雪して救出したのだろう。なお、例年開通時期には「雪の回廊」となる積雪量で、これを麓からラッセルして道を作るのは相当な難儀と想像される。で、肝心の温泉は前回同様素晴らしい。標高が高いので吹き抜ける風も大変涼しく、温泉の浴後にベストマッチ。何度でも入れる。今後は孤立覚悟で厳冬期に来るぜ。

※写真は温泉のそれにあらず、雪崩れの発生現場!

 

2010年10月2日吉祥寺シルバーエレファントでの演奏。Inner Spaceシリーズは1から3まであり、今回収録のSilent Dreamer - Inner Spaceをシリーズ番号にするとInner Space II- Inner Space Iであり、その間をドラムソロでつなぐ構成になっています。Inner Space3は「Triumphal Return」ですが、メンバー間でも「インスペI、II、III」と呼んでおり、記憶ではSilent Dreamer (Inner Space II)を伊東さんが書いたころは、ちょうど我らが敬愛するKENSOの「夢の丘」がリリースされた頃。その中の「月の位相」シリーズがありますが、このライブを見たことが個人的なトラウマに…。そのライブはライブレコーディングされており、KENSOはこれをどうしても収録したいが、演奏でミス。バックアップでさらにアンコールでも演奏してもダメで結局収録されなかた六本木PITINNのライブをナマで目撃した身としては、このSilent Dreamerがミストーンなく弾けるか、と毎回緊張しきり。プロ成りせずにやりたい音楽をやる(=田村リーダーのご発言ではもっとドギツくストレートな表現をしていましたが…)という点でKENSOは我々のモデルケースでもありました。Inner Space IはSide Steps初期の代表曲であり、Mazda Urban Sound International Convention Jazz '92というコンテストに出場して優勝。優勝賞品としてマツダ車を頂戴した、という因縁の曲ですが、この映像を収録した2010年10月のライブも、ちょうど日経のコンテストで優勝した後のライブとなっており、なんだか同じく因縁めいております。翌年2011年には東日本大震災があり、自粛ムードからコンテスト類も休止。ライブの機会も逸してしまっていますが雌伏中につき、再開をご期待ください。まさに「Triumphal Return (Inner Space III)」が如く…。

 

 

個人的体験として、音楽とそれを聴いた時の風景がセットになって記憶されることが非常に多くあります。ランダムに曲を聴くとそれを聴いた時の風景が想い起こされます。聴く音が色に見える共感覚の色聴という現象があるも、ワタクシに共感覚ではなく映像が見える!ただ、見える映像は綺麗なものとは限らず、例えば車内で聞いたなら、とある幹線道路(場所は明確に景色から特定できる)だったりします。一例では、大学入学前に通っていた時の自動車教習所の景色とチック・コリア・エレクトリックバンドの「EYE of the Beholder」のマッチングという、どーでも良い記憶なのですが…。そして今回の録音はGino Vannelli(ジノ=バレリ)の「Fly into This Night」。正直、Gino Vannelliの曲の中では印象が薄かったものの、それは原曲アレンジのためで今回のアレンジは良い!この特有のテンション感!「ベース以外のマスタートラックが完成したので、録音を」とご連絡をいただいた時のは、たまたま所用で来ていたロンドン。セントジェームス・パークの開放感はあるがトイレが途轍もなく汚いカフェでメッセージを発見、そこから宿営地たるウィンブルドンに向かう車内での脳内は完全にこの曲一色でした。これにより、完全にウィンブルドンの丘の上の景色がこの曲とリンクして脳内に焼き付きました。今回も見どころは映像。映像に集中するためか、音楽がどうしても頭の中に入ってこない…といういつものパターン。このまにゅ~先輩シリーズの伝統でもあります。ベース以外は打ち込みですが、本人が歌っているのでは?と勘違いするほどのボーカル、さらに今回はカッティングするギターなんて、とても打ち込みとは思えない仕上がり具合。先輩の技術も加わって恐ろしい世の中です。人はこうやって時代に取り残されていくんでしょうね(ワタクシだけ?)。テンポやタイミングも良い感じに考えられていて、ロンドン構想をもとに帰国後の半日程度で録音完了! 半日寝かして熟成させ、再度聴いた第一印象を重視して若干を録り直して完成です。止せばイイのに、録音PC環境をいじって他のソフトウエアに浮気し、やはり元のソフトウエアに出戻りしたので、そのセッティングに時間を浪費。演奏外の部分で時間を浪費しましたが…。全AIによる映像を筆頭にベース以外は最新のテクノロジーという温度差も感慨深し、です。なお、最後に。英国滞在中にKENSOの小口健一氏の急逝を知りました。ニュースのヘッダーで知るも英国ではYahooニュース記事が閲覧不能のため、もどかしい思いでした。ご冥福をお祈りします。

 

 

【これまでの宅録シリーズ】

1. 春望                

2. 秋のモノローグ  

3. Aozora for you~小春日和 

4. Floating cloud  

5. Everything Must Change

6. And the Beginning of 2024

7. Midspace Action

8. ライオン

小浜温泉(長崎県雲仙市小浜町)
有名なる雲仙温泉の麓たる小浜の海岸沿いにある温泉。これまで何度か雲仙温泉には行く度、この温泉から山に入っていくのだが、ここの温泉に入るのは今回が初。雰囲気は小ぶりな「かつての熱海」といった風だが、メインストリートにはデフォルトした温泉宿はホテルが点在、それも「かつての熱海」を彷彿させる。浜の近くでは温泉蒸気を利用した釜蒸し料理屋もあるほど源泉温度が高く、同じ九州の温泉の雄・別府のようでもある。熱海や別府は地理的に海が東にある一方、ここ小浜は西に海があるため夕日が名物(?)なのだが、それを見るのに絶好な「日本一長い足湯」がある。「ほっとふっと105」というが、源泉湧出温が105℃、長さも105mあるが、その構造は排水口に近づくにつれ、人間様の足湯→足つぼ刺激用→ペット用と泉質も劣化するであろう内容。泉質は食塩泉(ナトリウムー塩化物温泉)。舐めてみれば塩分濃度はかなり控え目で、やや塩味を感ずる出し汁程度。なお、ちょっと舐めてみたのは入浴用の温泉であって、足湯のそれではないので衛生観念上、念の為。ちなみにこの温泉では石鹸の泡が立たない。無色透明で微妙に褐色な気もするが、ここから山を登って雲仙に行けば白濁・硫黄泉なのとは大違い。源泉温度が95℃と高いことから、どの浴槽も基本的に熱い。入るときに思わず、デス・メタルのような「ゔーーー」という低い声が漏れてしまうが、これぞ温泉!。濃い食塩泉にある浴後の火照りもなく、さっぱりしているのが好印象。

壁湯温泉 (大分県玖珠郡九重町)
およそ20年ぶりに再訪、それまで何度も前を通過する機会があったのだが…。再訪して女将に聞けば、20年間のうちにいろいろとあり、最大の災難は2020年7月7日の「令和2年7月豪雨(熊本豪雨)」。ここ壁湯は熊本県ではないが、目の前を流れる町田側(筑後川水系)が大暴れし、川際にあるこの壁湯も完全に土砂に埋もれた。当時の写真をみれば、この浴槽が完全に黄土色の土砂に埋もれている…。復活のため必死に土砂を掻き分けたところ、奇跡的に温泉は健在。というのもここ壁湯は足元湧出系、岩盤湧出系の湯で確たる湧出口があるわけでないので、どのように復活させるのかが難関だが、結果として体感的には20年前の姿と不変にみえる。湧き出ている砂地も記憶にあったが、その位置も変わっていない。排水口をみればかなりの量が流出しているが、これは相当な量が足元から湧出している証拠。なお、かつては川際に小さい浴槽があったが、こちらは完全に流出していて復活していない。聞けば旅館の玄関前はすべて改築したとのこと。早速入浴するが、こちらは混浴。ただ、女性は湯浴み着を着用可に加え、女性用更衣室も完備されており安心な設計。一方の男性はこれも従来のまま、ほぼ閲覧フリーな状態での着替え。一応、見るな的なスダレがかかっているが、これも破れ放題でほぼ用をなしていない。入浴感は前回と不変。前回以上に肌に水泡がつく気も。上の岩の隙間から水滴(温泉?)が落ちてくるが、体温よりちょっと高い程度のぬる湯でゆったり静かに入ることができる…、と思ったら、異様に低空飛行な軍用機が頭上を通過。まだ初春だったためか他に入浴者はおらず、常に独占状態。出ればさすがに寒いが、入っていると快適至極。なお、前回この奥にあった共同浴場はコロナ禍のため現地のお年寄りを考慮して、鍵をもっている地元民にのみ開放とのこと。この壁湯のあと、至近の川底温泉も攻略しようと目論んだが、あいにく休業で断念。
 

窮余の策で飛び込んだ喫茶店での麹ラテが美味。駅構内では外国人に「石打へはどれに乗ればよいか」と聞かれて案内するも、この激閑散な上越線でスキー場までいくこの根性は見上げたものだ。上越線1216に乗車して1256水上着。車内でも外国人客あり、北上するはずが間違って南下する列車に乗っちゃった?とも思ったが、なんと湯檜曽(ゆびそ)で下車…逞(たくま)しい。水上では1時間半の待ち時間。ここは越後湯沢以上になにもないのでこれまた途方に暮れるが、新潟側では晴天なるもこちら群馬県側では灰色の空。駅前の蕎麦屋で舞茸天蕎麦、コーヒーをとって駅付近を散策。駅北側にSLや転車台があるが、雪の中で観光客は皆無。温泉でもとも思うが、駅付近に温泉も皆無。水上温泉は有名だがここからは離れているのであった。1423発の上越線高崎ゆきに乗車して1527高崎着。途中の景色は新潟のそれと比べようもないほど凡庸。高崎からは八高線へ乗換。いつかは乗ってみたいと思っていた憧れの八高線に乗り換えて1550高崎発。ちょうど下校時間にあたるため学生諸君が多い。また当方母校に生息していた典型的な鉄研野郎のような乗り鉄中学生も…そういえば都内では中学受験日あたりか…。なお、高崎から高麗川までは非電化区間、かつての北海道で染みついたディーゼル独特の走行感と車内匂が蘇る。新潟側ではあれだけの積雪だったがこちらではまったくないが、曇天のせいかひどく寂しい雰囲気。外を見遣るが日も暮れていき、夕刻には早くも漆黒に。景色が見えないと記憶も薄れがちだが、秩父鉄道や東武線の並走区間ともなると次第に都会の雰囲気であまり見るものはなし。川越線と合流する高麗川以降は通常の通勤列車状態のまま帰宅ラッシュど真ん中の八王子に到着。中央特快に乗り換えて完全に帰京した気分。ダイヤ不安のない域に到達した安心感ながら、地元駅のレストランへ直行したが、ちょうど先ほど到着したばかりでメニューを睨んでいる家族とランデブー成功。さすが日本が誇るJRの定時運行、今回も全く遅延なし。(完)
【写真】積雪でもなんとか見える設置の高さが素晴らしい