本欄の性格に反する内容なのかもしれませんが、今朝の朝刊訃報欄に作家の本田靖春が亡くなったとの記事。大学時代にその名を知ってから、その作品を出来る限り読んできたのですが、非常に残念であります。モノの本で体調がすぐれないことは読んで知っておったのですが。。。基本的には戦後の事件、それも戦後の風潮を象徴するかのような事件を題材に、ジャーナリスティックに採り上げた作品が多く、新聞にも触れられていましたが、「黄色い血液事件」だったか、それを期に売血禁止を訴え、現在の献血制度をつくるキッカケとなった報道をしたジャーナリストでもあります。ちょっと値段は高いですが、本田靖春集第5巻(旬報社)で作品を余すところなく読めます。一部は文庫本となっていますが、残念ながらなかなか本屋で目にする機会はありません。作品の有名なところでは「誘拐」(吉展ちゃん事件が題材)、「死戦」(寸又峡での金嬉老篭城事件が題材)、最近文庫になってますが、「疵?花形敬とその時代」「不当逮捕」、山岳系の作品では「栄光の叛逆者」「K2に憑かれた男たち」等があります。文体も素晴らしく簡潔で素晴らしい内容です。ご興味ある方はご一読されることをお薦めいたします。
PS:これを書いていて思い出しましたが、最近、松本清張の「日本の黒い霧」が文庫で再発していますね。帝銀事件や下山事件等を中心にこの昭和の怪事件についての話は(不謹慎ながら)非常に興味深いものであります。