第十六章 “入籍”

マリアは意外とロマンチックな所がある。
僕の誕生日前日に区役所に出掛け、サインをして0時ちょっかりに入籍したのだ。

『なんでそんなこだわるの?』と聞くと、『裕太さんと夫婦にいち早くなりたくて。』
と笑顔で答える。
そんなマリアが可愛くて、僕は爆笑してしまった。

そんな僕にマリアは頬を膨らまして、
『なによ?』
と文句気に言った。
『ごめん、ごめん』
と言って結婚指輪をはめた。
するとマリアは
『ならいいけど、裕太さんを嫌いになる所だったわ。』
『本当に?ギリギリセーフ!?』
『ええ。』

そんな話をして二人で笑った。

入籍したその日が凄く楽しい日になってよかった。

あの悪夢の事など忘れてしまおうと思った。
こんなめでたい日にそんな事を思い出したく無かったから。