第十五章 “悪夢”

七月の半ばくらいだろうか?
僕は悪夢を見た。

マリアが悪魔の様に暴れ、
死神の様に乱れて、
僕に対し、
『私は神に背いた!お前を愛したせいで、あの美貌も!あの幸せも!全部なくなったのだ!』
マリアは息継ぎする間もなく嘆いた。
『お前なんか愛さなきゃよかった。』
その言葉が僕の頭を呪った。

早く夢よ覚めて!
そう単純に思った。

『大丈夫?裕太さん!』
天使の様に優しいその声で、僕は目覚めた。
『よかった!悪い夢でも見たのね?』
『ああ。ちょっと疲れてて。』
『それより、今日は結婚式場の下見とウエディングドレスの試着よ?急いで準備して!』

そうか、もう7月半ば。後一ヶ月半で結婚式だ。

僕は簡単な着替えをして、マリアのお母さんとマリアと一緒に車に乗って、ウエディングドレスとスーツを選びに行った。

マリアのお母さんは白いスーツを見た。
『あ!これ!裕太君に似合うんじゃないかしら?』
マリアのお母さんは、白いドレスを手に取りまた口を開いた。
『マリアはこれ着てみて!』

僕とマリアの試着がおわった。
声をそろえて言った。
『どうですか?』
すると、マリアのお母さんは
『凄く似合ってる!それでいいわ』僕もマリアもホッとした。

でも、僕にはまだ心残りがある。
それは、あの悪夢の事だった。