第五章  「隔離」

その日から、私は真一から距離をおいていた。

朝は、5時に起きて自分とパパのお弁当。そして差し入れを作る。

6時には家を出発。6時15分ごろ学校に着いて、練習の準備をしている。

帰りは、夜の9時くらい。安全のため芯君が送ってくれる。


こんな生活が何日も続いた。

こうでもしないと、不安で心がもたないから。


でも、こんな生活には体がついていけなかった。


そんな生活を続けて2週間目の3時間目の授業。

女子は外でランニング。男子は中でバスケ。

あまり睡眠をとっていない体でも、走り続けた。


男女交代の合図が鳴った。

体育館へ入ろうとしたとき、頭が真っ白になった。


覚えているのは、倒れたときにうった足のかすかな痛み。


目が覚めたとき、芯君が目の前にいた。

「ごめん。オレがあんな事いったばかりに。」

「ううん、大丈夫。」

「そんな無理した生活するなら、俺の家こないか?」

「え?」

「言い忘れてた。好きだ、由梨ちゃんのこと。」

「私も、芯君の事、方付け手伝ってもらった時から。ずっと。」

「じゃぁ・・・いい?」

「いいよ!退院したら準備するネ!」


私の怪我は、足の複雑骨折。全治3ヶ月。


退院した後、パパとママには「真一に教えないで。」と言って芯君の家へ。


芯の家はオシャレだった。

家族の人も優しいし。


「母さん。この子が俺の彼女。由梨だよ。」

「はっ初めまして。私、家事なら得意なんで、任せてください。」

「あら美人さんね。芯には勿体無いわ。じゃぁ今日の夕飯頼んじゃおうかしら。」

「私、姉の美鈴。足に気ぃ使いなよ!」

「皆さんは、和食と中華と洋食。どれが好きですか?」

「洋食!」とみんな一斉に答えた。


私は、ハッシュドビーフとサラダ。そしてミネストローネを作った。


「ごめんなさい。足が動かせないから、こんな物しか作れなくて。」

「いいえ、おいしいわ。この人なら安心ね。」

「え?何がですか?」

「芯は心臓が昔、悪かったの。今はもう大丈夫だけど、いつ倒れるか・・・。」

「芯君?本当?」私は泣きそうな目で聞いた。

「ああ。でも、由梨が好きなんだよ。嫌わないでくれ。」

本当はショックだった。芯君が死んじゃうなんて。

でも、芯君をきずつけたくなかった。

「あははっ。なーんだ。言ってくれればいいのにぃ!」

「由梨ちゃん優しいわね~。」

「オレ、友達と遊んでくる。」芯君は、そういって出ていった。

突然、目から涙が出てきた。

「由梨ちゃん我慢したのね。」

「芯君の病気は治ったんですよね?」私は聞いてみた。

お医者様に言われたのよ。今は大丈夫でもいきなり来るって。」

「そんな・・・。芯君は大丈夫ですよね?」

「昔はひどくて、20歳まで生きられないと言われたのよ。」

「っつ・・・」私は言葉も出なかった。

「由梨ちゃん。今日は私の部屋で寝て良いわよ。」美鈴さんもなぐさめてくれた。

「有難うございます。私、お風呂はいりますね。」

もう泣くの、はやめよう。芯君は絶対死なせない