「1回の告白と50回のプロポーズ」


「桃!」

「んー?涼チャンどうしたの?」

「好き。」

「私も涼チャン好きー!」


小さいとき、大好きな涼ちゃんに告白された。

多分、3歳のとき。それから毎年、涼チャンと私の誕生日が来ると、

「結婚して。」と言う言葉と指輪をくれた。


3歳のとき、「結婚しようね。」とプロポーズされ、おもちゃの指輪をもらった。


今年で24年目。私はもう27歳。

家には49個の指輪がある。つい一ヶ月前、涼チャンの誕生日で、指輪を貰った。

16歳のときから、まともな指輪になった。


涼チャンは今、頭に腫瘍がある。


「桃!今年も期待しろよ!」

と笑顔で言う。

今年は特別。だって約束したから。

「50回プロポーズしたら、結婚しよう!」と。

1週間後は、私の誕生日。

50個目の指輪は何だろう。

去年は、ダイヤだった。


涼チャンが、頑張って働いて

私の為にお金を使わないようにしていた。


涼チャンが私を想ってる事が幸セ。


私の誕生日。病院から電話がきた。


― 涼サンが死にそうです。 ―


病院にいくとグッタリした涼チャン。

涼チャンは言った。

「結婚しよう。三番目の棚の中に指輪がある。」

そう言って泣いた。

私は走った。区役所へ、婚姻届を貰いに。

でも、途中で電話が来た。

「涼サンが亡くなりました。」


私に残ったのは、50個の指輪。

そして、心に残っているのは、50回のプロポーズと1回の告白。

そして、あなた自身。