実家の「柿の木物語」 | 散歩の風景、心の風景

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隣の家の柿の実が、橙色に色づいてきた。

ちょっと前まで緑色だったのに。

実家の柿の実も色づいてきただろうか・・

 

 

10年以上前に母が、苗木を植えた柿の木。

何年か前、父にバッサリ切り倒されそう

になったことがあった。

 

「桃栗三年柿八年」というけれど、植え

てから10年間、実が生らなかったのだ。

 

「この木には実がならないのかも。

 毎年がっかりするならいっそのこと・・」

と考えたらしい父は、10年目のある日

柿の木を切ってしまおうと思い立った。


 ところが、ノコギリで幹を切り始めて

半分くらいに達したとき、突然

「いや待てよ。可哀そうか」という気持

ちになったそうで、途中で切るのを止め

たのだそう。

 

苗木を植えたのは母。そのとき母は入院

中で、そんなときにと思ったのだろうか。



大きく切られたのに、柿の木はなぜか

枯れなかった。

そればかりか、次の年の秋ついに柿の

実が生った!食べきれない程に。

不思議・・・✴

 

 切り倒されたら大変だと、柿の木が

 頑張ったのか。

 それとも、途中で止めてくれた父への

 感謝なのか。

 切られたダメージが、生育の刺激に

 なったのか。

 

 

 実家に帰ると、必ずこの話になる。

何回聞いたかしれないけれど、私は

この話が大好き。

 

 

きっと、今年も美味しそうに色づき

始めたはず。楽しみだ音譜