『蜜蜂と遠雷』 (幻冬舎文庫)
恩田陸 著
本書は、サクッというと日本で開催された国際ピアノコンクールに関わる人々の其々のドラマを描いた小説…です。
(↑サックリ過ぎますね…(^^;))
つまり、ただ単にコンクールの‘勝負’について書かれたものではないということなんですよね。
4人のピアニストを中心にストーリーは進んでいきます。
その‘一人一人のドラマ’と、コンクールの‘バトル’が絡まって、
物凄く読み応えのある小説になっています。
(メッチャ長くて、結構分厚い文庫上下2冊)
けど、思ったよりは‘長さ’は気にならず、
読み始めたら、その面白さからスッと入れて、
ドップリはまってズンズン最後まで読んじゃいました。
(これは恩田陸さんの文章が凄いってことですね、きっと)
小説読んでいるといつもそうなのですが、
私は読みながら頭の中に‘映像’が浮かんできます。
(登場人物の顔とか姿とか、周りの背景とか…)
この作品もそうだったのですが、
それがとっても鮮やかでカラフルで綺麗でした。
何か、本を読んでいるんだけど、映画を観ているような感じ。
素晴らしいです。
何箇所かウルッときて泣いてしまいました。
音楽とはマッタク(特に大人になってからは)無縁?の私ですが、
「いや~、音楽ってスッゲ~な~!」って思いました。
感動です。
いろいろ好みもあるかとは思います。
でも、これは‘読んでみる’と良いんでない?…と思います。
恩田陸さんはいろんなタイプの小説をお書きですが、
私は、中でも‘人を描いた作品’が好きです。
この「蜜蜂と遠雷」も、そういう意味で大好きな作品になりました。
(「夜のピクニック」も好き!)