あと一ヶ月で、収穫を迎える夏の終わりのワイナリー。


ワイン好きの私のために、彼が企画してくれた旅行だった。



二人にとって、少し遅めの夏休み。


取り立てて、何の予定もいれず、時間の拘束もない一週間にしようと


着古したTシャツと、はき慣れたコットンパンツで地図を見ながら


行ってみたいワイナリーをいくつか訪ねてみた。



そこで、造られているいくつものワインを試飲したり、


手をつなぎ、地下のカーヴや醸造所の中も


案内の方について見学した。




レストランでの昼食は、試飲したワインの中で気に入ったものを注文し


窓の外の畑を見ながらゆっくりワインと料理を味わった。


仕事ばかりで、すれ違いの二人にとって、それは大切な時間。



あるワイナリーで


「このワインは、100年前のブドウの樹から造られています」と、説明された。


「え~100年前? で、このワインの飲み頃は?」


「25年後にどうぞ。」


絶句。


「100年前に植えたブドウの樹。


それからできるワインの飲み頃が、25年後なんて」



忙しすぎる日々の生活とは別に、そんな時間も、どこかでは流れているんだ。


手をつなぎ今、共に過ごす時間に感謝しながら、丘の上から見下ろすと、


見渡すばかり青々と、どこまでも続くブドウ畑。


そこには、ゆっくりと風が吹き抜けていた。




フランス、ボルドー地方ポイヤック村、ボルドーワイン格付けで、


第1級の赤ワイン「Ch.ラフィット・ロッチルド」は、


まさに50年~100年前に植えられたブドウの樹から造られる最高級ワイン。



最も古い区画には、1886年に植えられた樹も。


世界中の人を、とりこにしたこのワインを、大切な人と購入し、


25年後に、二人仲良く元気でカンパイできる人生にしたいですね?



何故このワインが一番か?


ワインは、土の下の土壌がすべて。


メドック(ボルドーの中の地区)が粘土質の上に、砂礫が多い中で


ここは石灰質をベースの畑から、


格別な香りと味わいの奇跡のワインができるのです。



ポンパドール婦人(ルイ15世の寵妃)は、


晩餐会で必ずこのワインを出しました。


フランスの貴族のステイタスシンボルとまで言われたワインには


世界中にファンがいます。



恋に効くワイン




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キラキラ輝く海が目の前に広がる午後、


ひとり来た浜辺。   


もう夏は遠い昔になって風は冷たく、


はおったカーディガンの襟を立てた。


「もう君に愛が無くなったから」


突然、カレから言われたのは一昨日の深夜だった。


 

会社の仲間と一緒に行くはずの旅行に実は、若い派遣社員の女性もいた。


それを責めた夜だった。


その旅行が、二人だけだったのか、沢山だったのかは不明のままに、


ドンドン大きなケンカになり、


突然の別れを引き出すことになった。



結婚して7年。


共働き夫婦の私達だったが、


カレは私にとって本当に理解のある理想の夫、


愛すべきパートナーだった。


会ったその日から好きで好きで大好きなカレだった。


友達からも「いいご主人ねぇ」と羨ましがられていた。


でも、今思うと・・  


私にとっての便利な部分やありがたい部分が、


カレにはすごく負担だったのかも。



例えば、カレ任せの山のようなゴミ捨てや、


仕事で忙しい時の自分勝手な生活サイクルのしわ寄せも。


擦れ違いばかりで、会話もない日々もあったし・・。



カレの気持ちを最大限理解しようと「原因と結果」を思ってみた。


時に、出た結果に、人は不満や怒りをぶつけるけど、


その原因を顧みる事をしないから。



昔、プロポーズされたこの浜辺で、桜色の貝殻を拾った。


砂をはらってポケットにそっと入れた。



涙は出なかった。



こんな時、誰と会い、何を打ち明け、どう過ごしましょう?


今、人生は長くて生活の形式も多岐に渡り、


カップルにも色々な形が有り、悩みや問題も様々。



そんな時に親身になって話を聞いてくれる友人って大事。





さて、貝殻ひとつ持って、寄った友人の部屋で飲むワインは・・


Beringer Vineyards California White Zinfandel


ベリンジャー・ヴィンヤード・カリフォルニア、ホワイトジンファンデル。


「ホワイトジンファンデル」のジンファンデルとは、


黒ブドウの種類で、通常、赤ワインですが、


アメリカには、この「ホワイトジンファンデル」を


「ブラッシュワイン」(顔を赤らめる)とも呼び、


可愛い名前の「白ワイン仕立て」で造ったピンクのワインがあります。



ジンファンデルは


カリフォルニアの中でも最も歴史が古い赤ワイン用のセパージュ。

                                 (ブドウ品種)


樹齢100年以上という木も存在していますが、その起源は謎が多く、


イタリアのプリミティーボだとか、いやいやクロアチアが発祥だと、


未だはっきりしたことは判っていません。



しかし、コーラ好きのアメリカで、


喉越しサッパリのこのチャーミングな名前のワインは大ブレイク。


ワインというよりソフトドリンクみたいに、


昼下がりに、軽く、冷たいパスタやデザートと、


ほんのり甘口を冷やして飲むのがお勧め。



薄い恥じらいのピンク色なので、


食前酒として、細いグラスで飲んでも美味しいしオシャレ。



カリフォルニアのジンファンデル Zinfandel から造られるこの方法によるロゼは


ブラッシュワイン blush wine と呼ばれ、


ロゼと区別されている。



恋に効くワイン




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 夏の終わりを告げる蝉が鳴き始めた週末。


愛犬と一緒に、うちまで迎えに来てくれた彼と向かう先は、


カレの長野の別荘。



デコボコ道も雪道も走れる、その大きな車に、


ダッチ・オーヴンとか、色々な食材や読みたい本、


そして、「私」も積み込んだ。



森の家には、多忙な彼を、仕事から解放するためか、


FAXもPCも無い、彼の大事な秘密基地。


完全に、都会の生活のストレスを、リセットするための場所だった。



一気に走って到着した場所は、吸い込んだ空気が、特別に思える山奥。


ドライブの間、ずっといい子にしていた犬を、


彼は好きなように森の中を走り回らせた。



森の匂いのする2階のお風呂。二人でゆっくり入った。


髪を乾かし、下に降りると、蒔の香りが漂っていた。


彼がデッキで夕食の支度を始めていた。



素足で、庭に出てブルーベリーを摘む私のまわりを、


犬が嬉しそうにピョンピョン跳ねる。



「いい匂いがするね」


「ハイナン・チーハン」


「???」


「海南(ハイナン)鶏飯(チーハン)は、シンガポールで人気メニューなんだよ」



森の中での「カレ飯。」は


ワイルドに、屋外用のダッチ・オーヴンを使ってのレシピ。



丸鶏をシャブシャブ洗ってお腹の中にニンニク、ネギ、生姜を詰めて


ダッチ・オーヴンで蒸し焼きにした後


鶏を取り出し、鍋に残っている美味しいスープに水を加え、


好きな味付けでご飯を炊く。



大きめのお皿に、鶏のスライスと炊きたてご飯を盛り、


好きなだけパクチー(香菜)を散らしてどうぞ。


お好みで、生姜醤油やチリソースをまぶして食べる。




そして、そんな森の中で飲むのにぴったりなワインは、グリーンなワイン。


歴史と伝統のあるオーストリーワインの中で、


最古の伝統あるワイナリー・ニコライホーフが、


ビオデナミ(有機農法)で造る白ワイン。





セパージュは、グリューナー・ヴェルトリーナー。


驚くほどの凝縮感のある果実にミネラル感、


スパイシーな白胡椒やハーブの香りを楽しめます。




ワインを持って小屋の中に戻り、


暖炉の前で寝そべる足元犬を撫でながら、彼に尋ねた。


「どうして私をここに連れて来てくれるようになったの?」


「うん?」と、少し間を置いてから彼が答えた。


「君と離れてここにいても、いつからか、


すぐ東京に戻りたくなって困ったからさ」



悪酔いしちゃいそう。



恋に効くワイン





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