続き☞

何度か蓋を開けて粉の巻き取りを確認したけどちゃんと全部まとまってた。さすがホームベーカリー。

タイマーの残りが30分になったのでりんごとレーズンの準備をしよう。

りんごは適当に小さめに切ってフライパンで炒める。全部が蜜の多いりんごのような色になったら冷蔵庫から出したバターを加える。その瞬間何とも言えない美味しい香りがするからバターって油とかに代用できる代物じゃないんだと改めて感じる。

さっきの鍋にまた水を入れてお湯を沸かす。これを結婚する前に図々しく旦那の家に買った100均の白いザルとボウルのセットにいれたレーズンにかけてスプーンで混ぜる。すごく吟味して買ったちょっと高い耐熱容器とかよりこのザルは使える。

バターりんごにきび砂糖を小さじ1杯、ちょっと離してさらに小さじ1杯かけるとアップルパイの具ができた。
ここでやめておこうかと思ったけどスキムミルク12gいれれる人になりたいからもう小さじ1杯足してからシナモンを10振りぐらいいれて火を止めた。
こういうことの積み重ねが大事だ。

レーズンはお湯を切ってラム酒を少しかけて即席ラムレーズンに。そのついでにりんごにもラム酒をかけたらファッという音がしてすぐになくなった。フライパンが熱くて蒸発したんだと思う。意味があったかはわからない。

ホームベーカリーのタイマーがあと4分だ。蓋を開けるとふわふわに膨らんだパン生地が美しい。真ん中に指を差し込んでみたら何かいけないものに触ったかのような柔らかさだった。そしてそれは低反発枕のように美しくへっこんだ。


このへっこみ具合だと多分あと4分は必要ない。待てないだけだけど。

柔らかすぎる生地をホームベーカリーから取り出して丸め直したらまたホームベーカリーに戻す。ベンチタイムだ。なんとなくパン生地が傷つきそうな気がしてホームベーカリーの真ん中に刺さってる羽をとろうとしたけど固くて取れなかった。洗う時どうしようと思ったが今は関係ないので仕事の昼休みがあと何分かアレクサに聞いてベンチタイム15分は無理だなと考えた。




7分のベンチタイムを終えたパン生地を取り出してsheinで買ったガス抜き用の綿棒で伸ばす。あまりにも軽いのでもしかして偽物だったのではないかと心配になったので今度富澤商店で重さを比べてみよう。

パン生地は25センチくらい、だいたいスケッパーが12センチだったと思うからその2倍ぐらいの長さを目安に伸ばした。


いい具合に冷えたりんごとラム酒を軽くきってキッチンペーパーで拭いたレーズンを奥を少し残してパン生地にのせていく。この具の量が一般的のパンの具として多いのか少ないのかはわからないが自分的には多いのでスキムミルク12gの人に少し近づけた気がする。



これを手前からきつめに巻いていくのだがこれが難関だった。

打粉をしていないからかパン生地が台にひっついて巻くどころではない。

自分らしからぬ丁寧な剥がしで何とか破れずには済んだが“きつめに“という部分は完全に無視だ。


さらにここから

“ミシン糸で8等分に切る“


ミシン糸なんてない。仕方がないので包丁で真ん中を切ってみる。具が溢れた。

これはいくら私でも大惨事を引き起こす予感がしたのでハサミに切り替えて半分をさらに半分に切ってそれをまた半分に切ってなんとか8こに分割。溢れ出した具はその都度食べた。




なんとも言えない可愛いフォルム。

これを鮨飯にかける用の濡らした手拭いをかけて2次発酵にかける。オーブンの発酵機能で40度35分。



あのちょっと控えめな形が全体的に2倍くらいにおっきく膨らみちょっと丸っこいフォルムになった。


パン作りの虜になる人はこの段階の生地が可愛くて仕方がなくて、パン作り好きのコミュニティではまるで自分の子供のことを可愛がるようにこの状態のパンの魅力が語られてるんだろうなと思った。


大体レシピには2次発酵が終わるタイミングでオーブンの余熱が出来上がっておくことと書いてあるが、オーブンを使って発酵しているのだからそれは無理だ。


発酵が終わってからオーブンを180度に余熱開始。

私のオーブンは余熱の速さが自慢で、どのくらい早いかというとケーキ生地が出来上がってあとは型に流し込むだけのタイミングで予熱開始しても流し込むより先に完了する。


だから発酵が終わってからでも充分なのだ。


もう一つの自慢は火力がメガパワーなこと。とにかくよく焼けて油断すると焦げる。

温度はヘルシオ−30度でいい具合だ。


余熱を待つ間に生地に卵液を塗る。

ツヤのためだけに卵を塗るのは勿体無いので当然他の方法を調べた。

ネット情報によると、水、牛乳、豆乳、油、などがあるらしいが我が家には牛乳も豆乳もないし水と油はなんとなく嫌だった。


悩んだ挙句、せっかく作ったしここで妥協するのはやっぱり嫌だ。こういうところがダメなんだと思い直し大人しく冷蔵庫の右端の卵入れから右手前の卵を一つ取り出した。


一周じゃもちろん余ったので2周かけて8こともツヤンツヤンにしてオーブンに突っ込んだ。

タイマーは25分。


その間に上にかけるアイシングを作る。

粉砂糖25gに水2.5gを入れて混ぜると一塊になってくる。キャロットケーキに塗そうとアイシングを作った時に初めてみた粉が塊になる瞬間はまるで化学反応だった。


今回は2回目なので水を少しずつ足してとろ〜っと柔らかさを調節するくらいの余裕がある。


20分ぐらいでオーブンを覗くとなんと上のレーズンが焦げて黒豆みたいになっている。

焦げたパンや魚は大体食べれる私でも焦げたレーズンだけは食べたくないくらいあれは苦い。


ほろ苦いとかじゃなくて本格的に体に悪い味がする。


すぐにアルミホイルを被せたがオーブンの中は暴風で一瞬にしてアルミホイルは吹き飛んでしまった。一度ドアを開けて手前にアルミホイルを引っ張ったが1秒足りとももたずレーズンは露わになった。

私は温度を160度に下げてレーズンを見守ることしかできなかった。

残りは後4分だったがこれ以上レーズンが黒焦げになる姿をどうしても見ていられなくてドアを開けてひとつだけ素手でパンを取り出す。


2段の天板で焼いているので手を入れる隙間が小さい。

オーブンの中に手の甲が当たらないようにするのに必死でパンを持つ指の熱さは気にならない。


オーブンの扉を閉めて黒焦げのレーズンを食べる。あの体に悪い味がする。


レーズンに夢中で気づいていなかったが、生地ももこれ以上焼くとパン屋だと廃棄になりそうなギリギリの色をしている。


そう思うと体が勝手にオーブンから天板を取り出していた。




どう見ても美しく美味しそうなアップルレーズンパンができた。


アイシングをかけると100倍美味しくなった。

作らなければレシピにアイシングが載っていても、カロリー高くするだけやから。プロでもないんやし。てか自分が食べるだけやのにこんなめんどくさいこと。絶対いらんやん。などと思いつく限りの言い訳を並べて一生作らなかっただろう。

こういうのを削らずちゃんと用意することで新たな美味しさを知ることができる。


子供の頃大好きだったスーパーのデニッシュパンにのってるアイシングがたまにツルツルになっていて、ザラザラのが好きだからツルツルのに当たらないように袋の上からアイシングの様子を吟味してざらついていそうなのを選んでいたことを思い出しながら焼き立てを3つ食べた。